ロシアは自らの過ちを認めるのを恐れて、嘘をついている=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領が動画メッセージにて発言した。
ゼレンシキー氏は、ウクライナは、ロシアの国旗を持ってウクライナの人々を殺し、拷問をし、町を壊し、略奪をした一人一人の責任を追及すべく、あらゆることを行っていると述べつつ、他方で、ロシアの人々は「自らを正当化し、あらゆることを否定しているだけだ。責任転嫁をしようとしている。嘘をついている。もう現実との繋がりを失ってしまっており、世界中の皆がロシア軍が実行したことをはっきり理解していることについてさえ、私たちを断罪している」と指摘した。
具体的に同氏は、「彼らは、ブチャの殺人について、殺したのは彼らではなく、私たちだと言っている。人々が殺されたのはロシア軍が同市を支配していた時だということは、皆にとって明白なのにだ。彼らは、クラマトルシクのミサイル攻撃について、撃ったのは彼らではなく、私たちだと言っている。その攻撃について発表したのは彼らのプロパガンダ要員なのにもかかわらずだ。ミサイルが飛んできたのは彼らが支配している地域からであるにもかかわらずだ。彼らは、私たちの壊された全ての町について、私たちの焼かれた全ての村についても同様に、それを行ったのは彼らではなく、私たちだと言っているのだ」と説明した。
そして同氏は、ロシアは6週間以上経った今もなお、民間施設には攻撃が一切当たっていないなどと主張していると指摘した。
その上でゼレンシキー氏は、「どうしてだろうか? それは恐怖のせいだ。完全なる恐怖。上から下まで、全てに対する恐怖である。彼らは、ロシアのウクライナ政策が過去数十年にわたり、全て過ちであったこと、それまでロシアにあったウクライナとの関係を全てを壊すだけであったことを認めることを恐れているのだ」と指摘した。同氏は、ロシアは何十年にもわたり、「将来のウクライナ・ロシア友好の英雄」になることを期待した上で、全くもって無能な人物をサポートするために、大量の資金を拠出するという過ちを犯してきたと発言した。
そして同氏は、ロシアはその過ちを認める代わりに、さらなる過ちを重ね、ウクライナにおけるあらゆる政治的手段を失った上でなお、非現実的野心を断念せずに、今回の戦争を始めたのだと指摘した。
同氏は、「その際、またしても彼らは戦争の開始について私たちを非難した。彼らがクリミアを占拠したのに、あたかも私たちが悪いと言う。彼らがドンバスの普通の生活を破壊したのに、あたかも私たちが悪いと言う。彼らがマレーシア航空機を撃墜したのに、あたかも私たちが悪いと言う。彼らが私たちの大地で8年間も人を、子供を殺してきたのに、あたかも私たちが悪いと言う。彼らが欧州東部の最も強力な産業地域を破壊したのに、あたかも私たちが悪いと言う。彼らが何百万人の人々の生活を壊したのに、あたかも私たちが悪いと言う。彼らが、私たちに対する全面的戦争を開始したのに、それもあたかも私たちが悪いと言うのだ。彼らは、ウクライナにて、2000発のミサイルを攻撃のために失い、数えきれない空爆、砲弾、地雷を使ったが、それすらも私たちが悪いと言うのだ。彼らが、私たちの大地で拷問をし、殺人をしてきたのに、それも私たちが悪いと言うのだ。彼らが何十万人のウクライナ人、男性、女性、子供を追放しているのに、全て私たちが悪いと言うのだ」と強調した。
その上で同氏は、ロシアのこれらの嘘は「全て恐怖から来ている」と指摘した。「恐怖が増長すると、それは災難へと変貌する。自分の過ちを認めるため、謝るため、現実に適応するため、学ぶための勇気が不足する時、人はモンスターと化す。そして、世界がそのことを無視すると、そのモンスターは、あたかも世界こそがモンスターに適応すべきだと思ってしまう。ウクライナは、それを全て、止める」と発言した。
同氏は、ロシアの抱く恐怖は何の役にも立たないとし、ロシアの人々が全ての真実を認めざるを得ない日が来ると強調し、「そのためには、私たちの全ての力と時間が必要だ。防衛、外交、経済、情報面の抵抗、司法上の責任。全ての方面にて、私たちには行動のアルゴリズムがある。一人一人の公務員が、自分の課題を把握し、それを100%実行しなければならない」と指摘した。
また同氏は、ウクライナの軍人、解放された土地において復興を手がける人々、「ロシアのプロパガンダが勝利することを許さない」情報面で抵抗を行っているウクライナのあらゆるジャーナリスト、編集者、ウェブサイト、メディア関係者に対して謝意を伝え、その上で「真実は勝つ。ウクライナは勝つ。絶対にだ。ウクライナに栄光あれ!」と強調した。
なお、ウクライナでは、2月24日からロシアによる全面的侵略が続いている。
写真:大統領府