韓国でのゼレンシキー宇大統領の演説は大きな反響があった=ウクライナ大使
12日、ポノマレンコ大使がウクライナのテレビ番組出演時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
大使は、「大統領は昨日、韓国国会への呼びかけを行ったが、それはアジアでは、日本の次に行われたものだった。その呼びかけの反響は絶大だった」と発言した。
また大使は、演説はオンラインで公開されたとし、「少なくともソウルでは、人々は大スクリーンで、ウクライナ大統領の演説がどのように放送されたかを目にした。演説後、私は議場にいたのだが、私のところに会派長、議員、記者がやってきて、目にしたものへの率直な感想を伝えた。特に封鎖されていたマリウポリで数週間生き延びた記者の動画を見た時だ。つまり、韓国社会へと届いた効果は、絶大だった」と発言した。
また大使は、韓国には、前世紀の50年代初頭、ソ連が支援していた北朝鮮が韓国領のおよそ80〜90%を占領するという、現在のウクライナと似た状況を生き抜いた経験があると指摘した。そして、平和維持軍のおかげで韓国は自らの領土を奪還でき、敵を、現在の範囲まで押し返すことができたのだとし、「ここの人々はウクライナの痛みを自らの痛み、自らの話のように感じ、比較し、同情し、記憶している」と発言した。
他方で、韓国がウクライナに提供し得る支援について問われると、大使は「それは非常に難しい問題だ」と述べ、韓国は現在政権交代の最中であり、5月10日に大統領就任式があり、ユン・ソクヨル氏が新大統領に就任し、その後新内閣が任命されることになると指摘した。
その上で大使は、「新大統領は、これまでの韓国の政策とは決定的に異なる政策を表明している。現政府は、ウクライナへは、人道支援と非殺傷性の物以外は一切の軍事支援を行わないと発表した。私たちはそのような(人道支援、非殺傷性品の)支援を受け取っている。彼らは、4000万ドルを拠出し、それがヘルメットや防護品、医薬品の支援や、直接の財政支援や、国際人道機関を通じた支援となっている」と発言した。
さらに大使は、「昨日、ゼレンシキー大統領は韓国政権に対して、軍事支援の供与を呼びかけた。私は、もうすぐ、1か月後に政権入りする新政府はその提案を真剣に検討すると思っている」との見方を示し、具体的には、ウクライナは、対艦、対空支援、対戦車ミサイル、装甲車を求めているとし、「それらは全て韓国にある。(中略)私たちは、それらの支援がウクライナにも提供される可能性について協議している」と伝えた。
これに先立ち、ゼレンシキー大統領は11日、韓国国会で演説を行い、ロシアに戦争を止めさせるためにさらなる対露制裁の発動を呼びかけていた。
写真:大統領府