ロシア軍の東部の攻撃烈度が高まった=ゼレンシキー宇大統領 各地の状況
ゼレンシキー宇大統領が動画メッセージで報告した。
ゼレンシキー氏は、「ロシア軍の攻撃烈度は、ハルキウ方面、ドンバス地方、ドニプロペトロウシク州にて、著しく高まった。以前同様、彼らは、普通の生活インフラを対象とすることを普通のことだとみなしている」と発言した。
同氏は、ロシア軍は、この戦争にて、自らを「世界で最も残虐で非人間的な軍」として永遠に記載することになると指摘した。
また同日、東部ルハンシク州軍行政府は、テレグラムチャンネルにて、同州の砲撃件数は数倍に増加したと報告した。
発表には、「ウクライナ東部を巡る大きな戦いが始まった。私たちは、さまざまな種類の兵器による砲撃の件数が増加したことを確認している。ルハンシク州の空には、敵の航空機が6機活動している。結果、集合住宅に大きな破壊が生じている」と書かれている。
戦闘は、ルビージュネ、ポパースナ、クレミンナで継続しているとし、人々はシェルターを出ることが一切出来ない状況だと説明された。
20日には、ハイダイ同州長官は、テレグラム・チャンネルにて、シェヴェロドネツィク市にて、敵の砲撃により住宅が破壊されたことを報告し、瓦礫から市民2名が救出されたと伝えた。
19日、キリレンコ・ドネツィク州軍行政府長官は、テレビ出演時、同日、同州クラマトルシク市へのミサイル攻撃があり、1名が死亡、3名が負傷したと報告した。同氏はまた、マリウポリでのアゾフスタリ近くの空爆の結果、300名の民間人が瓦礫の下に埋まってしまったとの情報は「疑わしい」と述べ、自身の情報源では、「爆発はあった。しかし、地元住民が大量に負傷したということは、軍人は今のところ認めていない」と発言した。
南部ザポリッジャ州軍行政府のスタルフ長官は19日、テレビ番組出演時、同州にてロシア軍の大規模な攻撃が始まったと伝えた。スタルフ氏は、「過去1か月衝突ラインには変更がほとんどなかったが、しかし、戦闘は様々な烈度で生じていた。今日、敵の軍は行動を著しく活発化させた。ポロヒ地区では、状況が激化しており、毎日砲撃が観察されている。敵は、大規模侵攻を開始。しかし、私たちの防衛者は防衛を維持している」と発言した。
同氏はまた、同州複数自治体からの住民避難のための計画が作成されたと伝えた。
ヘルソン州検察は、フェイスブック・アカウントにて、ヘルソン市内のロシア軍が設置した検問地点近くにて、男性が銃殺されたと報告した。
発表には、「捜査班の情報では、4月19日、ロシア軍軍人がヘルソン市紡績工場小地区にて勝手に設置した検問地点にて、地元住民へ銃で怪我を負わせた。敵の銃弾は、男性の大腿動脈を破損させ、結果、男性は死亡した」と書かれている。検察は、本件について捜査が開始されていると伝えている。
その他、モトゥジャニク国防報道官は、RBCウクライナ通信へのインタビュー時、短期的展望では、ウクライナ北部へのロシア軍の侵攻の可能性は見られていないと述べつつ、他方で、そのような可能性は完全には排除されていないと発言した。
モトゥジャニク氏は、「完全にそのような可能性を排除することはできない。しかし、近い将来には、私たちはそれ(編集注:ロシア軍の北部への再侵攻の可能性)は見ていない。強調するが、近い将来の話である。なぜなら、侵攻を成功させるには、攻撃用の部隊編成が必要だからだ。現在、ベラルーシ領に複数のロシアの大隊戦術軍(BTG)が残っている。それらはある種の示威行動を取っており、それにより、私たちの部隊を準備体制に置かせている」と発言した。
そして同氏は、より長期の展望では、敵が再びベラルーシから再侵攻する可能性はあるとしつつ、しかしそれは、ドネツィク・ルハンシク両州にて彼らがどのような成功を達成できるかに左右されるものだと指摘した。
加えてキーウ侵攻の展望に関しては、同氏は、ロシアにとってキーウは優先課題であり続けていると指摘しつつ、同時に、キーウは防衛の準備ができているとも発言した。
同氏は、「キーウは、言うまでもなく、ロシア占領者にとっての『美味しいひとかけら』である。現在、首都は、よく固められており、防衛の備えができている。さらに、その防衛水準は下がるどころか、反対に恒常的に補完されている。もしロシアがいつかキーウ侵攻に戻ってきたとしても、そのためには、彼らは大量の部隊を集める必要がある。そして、現在彼らに必要なのは東部の勝利となっている」と発言した。
また同氏は、ベラルーシの参戦可能性も完全には排除できないと指摘した。