食糧危機を止める理想的手段は、ウクライナをロシア侵略軍から解放すること=ゼレンシキー宇大統領
ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は21日、世界の食糧危機を回避する唯一の理想的手段は、戦争を終結し、ウクライナ領をロシア侵略軍から解放することだと発言した。
ゼレンシキー大統領が世界銀行特別会合でのオンライン演説の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「戦争を終わらせ、私たちの領土をロシア侵略軍から解放することが、食糧危機の展開を止める唯一かつ理想的な手段だ」と発言した。
またゼレンシキー氏は、ロシアは黒海とアゾフ界のウクライナの港を封鎖しており、それによってウクライナの輸出が著しく減少、とりわけ農産物の輸出に甚大な影響が出ていると指摘し、ウクライナ産食糧が不足することで世界市場にて危機の始まりが感じられていると説明した。
同氏は、国連世界食糧計画(WFP)の最近の報告書によれば、今年の食糧品の価格の上昇は、世界81か国にて約4700万人の人々の飢餓をもたらすと記されていると指摘した。
その上で同氏は、「ウクライナの小麦、トウモロコシ、油、その他の交易品がなければ、アフリカとアジアの多くの国において物理的な食糧不足が生じるだけでなく、政治的な不安定化が起き、さらにはもしかしたら新たな移民危機まで生じる可能性もある。人々は、この危機において罪人を探すだろう。特に、自分の国、町の広場に出るだろう(編集注:抗議をするの意)。人々は、自らを救う方法を模索していくことになる」と強調した。
そして同氏は、ウクライナは、食糧輸出を調整するために可能なことは全て行っているとし、また可能な範囲で種蒔きも始めたと伝えた。同時に同氏は、ロシアの戦争がウクライナにて続いている限りは、誰も食糧安全につき確信を持つことはできないと強調した。
なお、ウクライナでは、2月24日からロシアによる全面的侵略が続いており、ウクライナ南部と東部の一部がロシア軍により一時的に占領されている。
写真:大統領府