プーチンは5月9日にウクライナへ公式に宣戦布告する可能性がある=欧米諸国政府関係者
米CNNが報じた。
報道によれば、西側諸国の政府関係者たちは、プーチン露大統領が5月9日の対独戦勝記念日の象徴的な意味とプロパンダ上の価値を利用して、戦争の軍事的達成と、軍事行動の深刻なエスカレーションについて発表する可能性があると指摘しているという。
プーチンが発表する可能性のあるものの一つが、ウクライナに対する公式な宣戦布告である。
ウォレス英国防相は最近、プーチン氏が、「もはやこれはナチに対する戦争であり、私が必要としているのはより多くの人だ。私はロシアの砲台の餌食をもっと必要としている」と言えるようにするための土壌を用意していると発言していた。ウォレス氏はまた、そのような情報はないとしつつ、5月9日にプーチン氏が総動員の実施を発表しても驚かないと発言していた。
その他のシナリオとしては、2014年からロシアが一部を占領しているウクライナ東部ルハンシク・ドネツィク両州の併合発表、オデーサ方面への深刻な侵攻、マリウポリの完全な支配の発表が考えられるという。
米国のカーペンター欧州安全保障協力機構(OSCE)常駐代表は2日、ロシアがルハンシク・ドネツィク両州を「5月中旬頃」に併合しようとするという「信憑性のある」インテリジェンス情報を有していると発言していた。さらにカーペンター氏は、ロシアがウクライナ南部ヘルソン州にて「人民共和国」の創設を発表し、同州も併合しようとしている兆候があるとも指摘した。
米国のプライス国務報道官は、ロシアが5月9日をプロパガンダ目的に利用するためにあらゆる努力を行っていると考える十分な証拠があると発言している。プライス氏は、「私たちは、おそらく、ウクライナにおける戦場での戦術的・戦略的失敗から注意を逸らすために、プロパガンダ努力を確かに倍増したと見ている」と発言した。
プライス氏はさらに、「ロシアが戦勝記念日を宣戦布告のために利用したら、大きな皮肉となろう」ともコメントし、総動員のための口実を模索することは世界中に対して、「自分たちの戦争の努力が失敗したこと、彼らは自らの戦争キャンペーンと軍事目的に立ち往生していること」を示すことになるだろうと指摘している。