ロシアはマリウポリのウクライナ兵避難のいかなる提案にも不同意=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領がマルタ国会でのオンライン演説の際に発言した。大統領府がフェイスブック・アカウントに演説動画を公開した。
ゼレンシキー氏は、「マリウポリには、今も防衛者が残っている。彼らは、アゾフスタリ工場敷地で抵抗を続けている。私たちは、彼らの救出を組織するためにあらゆる可能な外交手段を行使している。しかし、ロシアは、今のところ出された多くの提案のいずれにも同意していない」と発言した。
また同氏は、ウクライナはパートナー国に、包囲されるマリウポリの解囲を行い、軍人も民間人も救えるようにするために必要な武器も要請したが、そのような武器は解囲を行うのに必要なだけはまだないと指摘した。
そして同氏は、「つまり、1942年の春のマルタの空にて、英国の(戦闘機)スピットファイアがどのような意味を持っていたか(編集注:マルタ島への補給)を思い出せば、あなた方は完全に理解できるだろう」と強調した。
同氏は、英国と米国はその作戦をスピットファイアにより実現したのであり、同機がマルタを巡る戦闘の流れを変え、当時の侵略者の野心を破壊することの支援となったと指摘した。
その上で同氏は、「そして、現在、私たちもパートナー国から類似のミッションを必要としている。今の対ウクライナやその他の欧州の国々の制圧を望む侵略者の野心を破壊するためだ。私たちは、航空機、ヘリ、特別な火砲、その他の武器を必要としている。なぜなら、今は、80年前と同様に、欧州の未来が戦場で決まりそうになっているからだ」と発言した。
同氏は、ロシア軍は全面的侵攻の当初から、マリウポリをはじめとするウクライナの町々を封鎖しようとしていたし、マリウポリでは民間人が隠れていると明らかにわかっていた建物への空爆が行われたことを喚起した上で、「それはテロだ」「マリウポリに真の地獄を生み出した」と強調した。
これに先立ち、10日、ウクライナの国家警護隊特命分遣隊アゾフ連隊は10日、マリウポリの防衛戦にて負傷したウクライナ軍人たちの写真を公開し、彼らの避難確保を要求していた。
写真:大統領