「ウクライナは全ての土地を解放する」=ゼレンシキー宇大統領、ヘルソン州「露編入要請」にコメント
ゼレンシキー大統領が同日夜の動画メッセージの際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「私は、この5月はウクライナの歴史において、特別な意味を持つと確信している。確かに、ロシア軍はまだ私たちの大地にいるし、ロシアが協力者として見つけたはぐれ者たちが宇宙規模の愚かな発言をしている」と指摘し、「占領者にはそこで行うことは何の意味も持たない。彼らにはチャンスはない。私は、私たちが私たちの大地と人々を解放することを確信している」と発言した。
同氏はまた、レンドリース(武器貸与)法含め、米国からの新たなサポートや、英国、欧州連合(EU)、カナダ、日本、オーストラリア、自由な世界全体からのサポートがあるとし、ウクライナの人々は今後楽になっていくと強調した。
さらに同氏は、11日、ドイツのショルツ首相と電話会談を行ったとし、ウクライナへの防衛支援や、エネルギー連携、更なる対露制裁について協議したと伝えた。同氏は、「侵略者が侵略から最大の痛みを感じるように、一歩ずつあらゆることを行っている」と発言した。
また、同氏は、5月8日にG7首脳会談に参加した際のことを喚起し、「ウクライナは友人たちと、ウクライナのための安全保証のテーマを恒常的に非常に充実した内容を伴って協議している。5月8日にはG7会談があったが、私たちの国は始めて首脳レベルで参加した。そこで、何よりもその話をした。私たちは、世界の先進国と、ウクライナに何十年先まで安全の確信を与えることで合意しようとしている」と発言した。
同氏は、ウクライナ史上はじめてそのような保証が確認される可能性があるとし、それは覚書とか宣言的な願望ではなく、具体的な保証となると指摘した。また、それは、具体的に誰がどんなことをウクライナに保証するか、はっきりと記述されると説明した。
これに先立ち、ヘルソン州の地元ニュースサイト「橋」は、ロシア占領政権の地元協力者であるキリロ・ストレモウソウ氏が、露国営プロパガンダサイト「RIA」に対して、ロシアが任命したいわゆる「軍事民間行政府」がプーチン露大統領に対して、同地域のロシア領への編入を要請すると発言したと報じていた。
なお、2月24日のロシア軍のウクライナに対する全面的侵略により、現在ウクライナ南部では、ヘルソン州とザポリッジャ州の一部がロシアにより占領されている。占領開始当初は、両州各地で住民による反占領集会が盛んだったが、ロシア軍人よる地方自治体関係者、記者、教師、活動家、聖職者などへの拉致、略奪、拷問などの被害が相次ぎ、次第に反占領集会の頻度は下がっていた。
4月24日、英国防省は防衛インテリジェンスの報告として、ロシア軍にとって、クリミアとの陸上回廊の確立とウクライナ南部の支配という目標達成における重要な町となっているとの見方を示した。
4月27日、ヘルソン市では、住民たちが偽「住民投票」とロシア占領に反対する親ウクライナ集会を開催していた。
5月6日、タシェヴァ・クリミア自治共和国ウクライナ大統領常駐代表は、ロシア占領者は、ウクライナ南部の新たに占領した領土をクリミアに併合させてあらたな行政区を作る可能性を含め、占領地統治に関する複数の案を検討していると指摘していた。
ヘルソン州議会のソボレウシキー副議長は5月11日、占領者や共謀者によるヘルソン州地位に関するいかなる行動も法的に無意味であるとコメントした。