「プーチンは敗北の現実を直視しなければならなくなる」=ウォレス英国防相
ウォレス英国防相がNBCニュースへのインタビュー時に発言した。
ウォレス氏は、「彼は、長い目で見て彼が敗北したのだということを受けいれなければならない。ウクライナで何が起ころうとも。ロシアが侵略の前よりも、現在より弱い国となっているということを考えようではないか」と発言した。
同氏はまた、ロシア軍は疲弊しており、とりわけ、軍事技術の大半にとって必要な西側の技術品の輸入が、制裁により妨害されていることから、ロシアは軍の補強に困難を抱えていると指摘した。
さらに同氏は、ロシアが大きな侵攻を発表したウクライナ東部ドンバス地方では、ロシア軍は古臭い戦術に頼っているとし、重くて、しばしば精度の低い爆撃を行い、それが陸軍の動きと調整が取れていないと説明した。
その上でウォレス氏は、「彼らは多くの過ちを犯しているのだが、それへの彼らの反応は、さらなる砲撃、さらなる残虐さ、さらなる砲弾の餌食なのだ。(中略)彼らはまだ望む効果を達成できないという問題を抱えている」と発言した。
同氏は、米国と英国は現時点でウクライナを支援する最も効果的な手段はウクライナ軍がすでに有している物と互換性のあるソ連時代のロシア製軍事装備を供給することだと考えていると指摘した。そして、「英国防省はロシア製装備を世界中の国々で探すことに焦点を当てていた。しかし、当局者は、ロシアもまた自らの在庫を補充しようとしていることに気が付いた。(中略)時々、私たちは、複数の国で、何らかの在庫を探しているロシア人と偶然出会っている。なぜなら、彼らのそれは急速になくなっているからだ」と発言した。
加えてウォレス氏は、ロシア軍の装備状況がかなり劣悪だと指摘し、航空機パイロットは機内の誘導装置が頼りにならないために、GPS受信機を操縦室に設置していたほどだと指摘した。同氏は、「GPS受信機が撃墜されたロシアのSu-34sの計器盤にテープで貼り付けられていたのが見つかったのだ。パイロットが自分の居場所を確認するためであり、自分たちのシステムの質が悪いからである」と発言した。
また同氏は、ロシア軍事首脳陣は、装備やインテリジェンスで失敗しただけでなく、ウクライナ人の反応についても誤ったとの見方を示した。
同時に同氏は、「もう一つ残っているものがある。それは、彼(プーチン)が後ろのポケットにまだ入れている、残虐性である」とし、「世界はロシアに、無差別砲撃と蛮行という残虐手段を利用して勝利することは許してはならない」と発言した。
また同氏は、ロシアはウクライナ軍への武器の流入よりも、強力な経済制裁の方により怒っているとし、制裁は国民から隠すことができないからだと指摘した。