ロシア軍、ウクライナの東部、南部、北部を攻撃
東部のドネツィク州警察は、テレグラム・チャンネルにて、過去24時間にロシア軍からの攻撃が28回確認されたと発表した。
発表によれば、ロシア軍は12の自治体を砲撃し、52軒の民間インフラ(住宅、学校3軒、産業施設、農業施設、特別重要インフラ)が破壊されたという。同州で、ロシア軍の攻撃が確認された自治体は、マリウポリ、バフムート、ソレダール、アウジーウカ、リマン、トレツィク、コスチャンティニウカ、シヴェルシク、ザリズネ、バフムツィケ、ピウニチネ、ヤブルニウカ。とりわけ、バフムートにて最も被害が大きく、敵の砲弾が工場と5階建て集合住宅に着弾、男性1名が死亡、9歳の児童が重傷を負ったと発表された。
アウジーウカの被害 写真:キリレンコ・ドネツィク州軍行政府長官
東部のルハンシク州軍行政府は、テレグラム・チャンネルにて、17日、プリヴィッリャ、ゾロテー、ポパースナにて、市民4名の死亡が確認されたと伝えた。
発表には、「昨日、プリヴィッチャのシヴェルシキー・ドネツ川の近くにて、地雷・爆発物の被害を受けた2名の遺体が見つかった。また、ゾロテーとポパースナでも死亡の情報が入っている。現在、ドニプロ市の医者が一昨日ロシア軍のヒルシケ砲撃の際に腎臓を損傷した15歳の子供の命を救おうと闘っている。さらに、昨日、シェヴェロドネツィクの住民が(編集注:砲撃時の)破片で負傷した」と書かれている。
東部のシニェフボウ・ハルキウ州軍行政府長官は18日、テレグラム・チャンネルにて、ロシア軍が同州のペチェニヒを砲撃し、市民1名が負傷したと伝えた。
シニェフボウ氏は、「今日、チュフイウ地区ペチェニヒ町が攻撃を受けた。73歳の男性が軽傷を負った」と伝えた。
同時に同氏は、イジューム地区ドウヘンケにて、ロシア軍が進攻しようとしたが、損失を出して、退却したと報告した。
南部のレズニチェンコ・ドニプロペトロウシク州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、ロシア軍が18日朝ドニプロ市に対して2発のミサイルで攻撃を行ったと伝えた。
レズニチェンコ氏は、「緊迫した夜、不穏な朝だった。敵がドニプロを攻撃した。ミサイルの一つは私たちの防空システムが撃墜した。破片が、民間住宅の庭に落ちた。女性1名が負傷した」と伝えた。また、破片の落下により、建物2軒が損壊したという。
また、もう一つのミサイルは、輸送インフラ施設に着弾し、同施設が破壊されたと発表された。
南部のミコライウ州国家非常事態庁総局は、フェイスブック・アカウントにて、ミコライウ市インフリシキー地区への敵のミサイル攻撃により、火災が発生、市民1名が負傷したと発表した。
発表には、「18日朝、敵のミサイル攻撃によりミコライウ市インフリシキー地区の民間住宅に破壊が生じ、火災が発生した。(中略)破片での負傷を負った1名の被害者がいることがわかっている」と書かれている。
南部のヘルソン州議会のヨシペンコ議員は、フェイスブック・アカウントにて、17日にヘルソン州ダヴィジウ・ブロド村近くにて、ロシア軍が多連装ロケットランチャー「グラート」により民間車両の車列を砲撃、少なくとも3名が死亡、多くの負傷者が出たと伝えた。
ヨシペンコ議員は、「5月17日、ダヴィジウ・ブリド村近くにて、オーク(編集注:ロシア兵への蔑称)たちがグラートによって、約100台の車両に対して砲撃を行った。市民は、クリヴィー・リフからベリスラウ方面へと通り抜けようとしていた。車両の一部は壊され、これ以上走ることができなくなっている。多くの負傷者が出ており、少なくとも3名の民間人が死亡した」と伝えた。
同氏はまた、ウクライナ軍が衝突ラインの通り抜けは禁止されていると警告していたが、人々は、ラインを通り抜けようと同村の近くに3日間近く停まっていたと指摘した。
北部のスーミ州では、国境警備庁が、テレグラム・チャンネルにて、18日未明、ロシア軍が多連装ロケットランチャー「グラート」にて砲撃を行ったと発表した。
発表には、「昨夜、敵は、スーミ州をグラートで砲撃した。ロシア軍は、ロシア領自治体ポヌリから約10回の多連装ロケットランチャーでの砲撃を行った」と書かれている。
同砲撃により、民間住宅が1つ破壊されたという。
また、ジヴィツィキー・スーミ州軍行政府長官も、テレグラム・チャンネルにて、18日未明のロシア軍がスーミ州を砲撃したと伝えた。
ジヴィツィキー氏は、「夜、スーミ州は、再び不穏だった。昨晩から、ロシア領側から、火砲、迫撃砲による砲撃が始まった。私たちは、敵の攻撃を、反撃により撃退した。私たち側には被害者は出ていない」と書き込んだ。
さらに同氏は、朝5時半頃に、ロシア軍が再び自国領からオフティルカ地区ドミトリウカ村への砲撃を行ったとし、犠牲者は出ていないが、民間住宅への着弾があったと伝えた。
なお、ウクライナでは、2月24日からロシアの全面的侵略を受けている。ロシア軍は、3月末以降それまで一部領土を占領していたウクライナ北部からの撤退を開始、4月中に同地から完全撤退したと見られている。同時に、ロシア軍は、自国領からウクライナ北部(チェルニヒウ州、スーミ州)への越境砲撃を継続している。