「ロシアはウクライナに降伏を強制するためにパニックと恐怖を生み出そうとしている」=レズニコウ宇国防相
レズニコウ国防相が英エコノミスト紙へのインタビュー時に発言した。
レズニコウ氏は、すでに多くの血が流されたのであり、ウクライナの人々がロシアに対して領土面で譲歩することは決してないと強調した。
また同氏は、「彼ら(ロシア)は、私たちに降伏文書への署名を強制すべく、相当な混沌、パニック、恐怖を生み出そうとしている。それはうまくいっていない。私たちは、そのような気分へはちっとも近付いていない」と発言した。
さらにレズニコウ氏は、現在ウクライナはロシアの進軍を止めるために西側からの迅速な支援を必要としているとし、なぜならいくつかの地点ではロシアはウクライナ軍の10倍の火力を有しているからだと強調した。
同氏は加えて、西側諸国の提供する多連装ロケットシステムが「近々、もしかしたら1、2週間で」ウクライナへ到着するはずだと述べつつ、他方で、ウクライナはそのようなシステムを大量かつできるだけ早く手に入れなければならないと指摘した。
また同氏は、ウクライナ軍は北大西洋条約機構(NATO)基準の兵器・装備に1か月間で完全に移行する準備があると述べ、そのため、パートナー国が抱くウクライナ軍の移行能力に関する疑問は正当化されるものではないと指摘した。
さらに同氏は、「西側の官僚主義とプラグマティズムが、西側の価値よりもはるかに強固なことが判明した」と皮肉を述べた。
加えて、同氏は、ウクライナは現在、フランスとドイツにとっては、「快適な生活手段の道に立つ苛立たしい障害」となっていると表現した。その上で同氏は、2020〜2021年の自身のドンバス協議実施の経験からして(編集注:レズニコウ氏は、ロシア、ウクライナ、欧州安全保障協力機構(OSCE)からなるドンバス問題解決協議の場である『三者コンタクト・グループ(TCG)』のウクライナ副代表を務めていた)、ロシアは和平合意を恒常的なものとは考えていないと指摘し、そのため、「ロシアを侮辱してはいけない」と述べたマクロン仏大統領がいかに望もうと、伝統的ないわゆる「停戦」をロシアとの間で合意することは不可能なのだと強調した。
レズニコウ氏は、時が来れば、ウクライナは欧州における新しい安全保障機構に関する協議を行う、それはウクライナが信頼する国からの安全の保証を意味するものとなる、と発言した。