EU上級代表、アフリカ諸国にロシア食糧危機関連の嘘を警告
18日、ボレル上級代表が欧州対外行動庁のウェブサイト上にブログ記事を掲載した。
ボレル氏は、「地球規模の食糧災害を回避するための最高の優先課題は戦争の停止とロシア軍のウクライナからの撤退であり続けている。それがEUがウクライナに与えている大規模なサポートと私たちが同盟国と共にプーチン体制に対して科している制限措置の目的である。加えて、私たちは、ロシアの農業製品や肥料を制裁の対象には一度もしていない。EUの制裁はロシアからのいかなる農業製品の輸出やそのような商品の支払いも禁止していない」と指摘した。
同時に同氏は、現在食糧危機をテーマとした「ナラティブ戦争」が続いているとし、そのためにEUは、アフリカ諸国との関係で自らの立場と飢餓の脅威を克服するための国連の枠組みでのイニシアティブをはっきりと示していると指摘した。
同氏は、「私は、アフリカの対話者たちに対して、具体的な問題とクレムリンの偽情報を区別するよう呼びかけてきた。ロシアのプロパガンダ・マシンが、私たちが食糧危機に責任を追っているとして非難するのは、シニカルな嘘以外の何物でもない。そのようなロシアの立場のシニシズム(冷笑主義)は、プーチン露大統領がソチでサル大統領(セネガル大統領、アフリカ連合議長)と会談してから数日後に、ロシアが(ウクライナ南部)ミコライウにある2番目に大きな穀物庫を爆撃した際に、特に明白となった」と強調した。
その上でボレル氏は、「大規模な地球規模の食糧危機を抑えたいと思う者は皆、何よりもまず、ロシアの侵略戦争を止めるために、ロシアへの圧力を強める私たちを支援すべきだ」と訴えた。
同時に同氏は、EUは、ウクライナの穀物を陸路や水路で運び出すために、同国との間でいわゆる「連帯の回廊」を開通したことを報告した。同時にそれでは問題を完全には解決できないとし、EUはウクライナの黒海を通じた穀物供給再開のための国連の解決策模索の努力を支持していると伝えた。