南部ミコライウの集合住宅に露軍ミサイルが着弾、死者６人＝各州情勢

ザマジェイェヴァ・ミコライウ州議会議長は２９日、テレグラム・アカウントにて、ミコライウ市へのミサイル着弾の被害の写真を公開し、「またもやテロだ。ミサイルにてミコライウが攻撃された。３０分で少なくとも１０発のミサイルである。６時２５分、直接集合住宅へと着弾した」と報告した。

また、同日、キム・ミコライウ州軍行政府長官は、ミサイルの集合住宅着弾時の動画を公開した。

キム氏は、「これをどう説明しろと？　どこにロジックがあるというのだ。ロシアは、テロ・未国家だ」とコメントした。

３０日朝の時点で、ミコライウ州軍行政府は、テレグラム・チャンネルにて、前日の同市へのミサイル攻撃の結果、すでに市民６名の死亡、６名の負傷がわかっていると報告した。

発表にはまた、前日のミサイルは、休暇センターと企業のガレージにも着弾したと書かれている。

ミコライウ州は、その他、ベレズネフヴァテ共同体（住民２名負傷）、シローケ共同体、ミコライウ地区ペルヴォマイシケ共同体、ハリツィノヴェ共同体が砲撃を受けたと報告された。

南部ドニプロペトロウシク州のレズニチェンコ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、３０日朝、ロシア軍がクリヴィー・リフ地区へ砲撃を行い、ゼレノドリシクの穀物庫、ヴェリカ・コストロムカ村の中心部が破壊されたと報告した。

穀物庫には、４０万トンの穀物が保管されていたが、爆発により火災が生じたと書かれている。犠牲者は出ていないとのこと。

ドニプロ市へのミサイル着弾　写真：ミコラ・ムヤシコウ／ウクルインフォルム

東部ルハンシク州のハイダイ州軍行政府長官は、フェイスブック・アカウントにて、リシチャンシクではロシア軍が空爆を行い、警察署を破壊したと伝えた。

ハイダイ氏は、「市内で安全な場所を見つけることは難しい。人々は、３０分ででも良いから静かな時を夢見ているのだが、占領軍は止まらず、あらゆる種類の兵器で攻撃している。昨日、リシチャンシクには複数回航空機が襲来した。破壊は非常に多い。空爆は、石油精製所敷地とヴォウチョヤリウカへと行われた。警察署が完全に破壊された」と伝えた。

同市はまた、破壊された建物の数はもはや数えるのが追いつかないとし、また火災が鎮火された後に建物の地下から、女性の遺体が見つかったと報告した。

さらにリシチャンシクでは、工作員が入り込んでおり、ヴェルフニョカムヤンカ地区では前日、工作諜報グループを殲滅したという。

また、同氏は、敵はシヴェルシキー・ドネツ川沿いの砲撃を止めていないと伝えた。

同氏は、「敵は、リシチャンシク包囲とリシチャンシク〜バフムート幹線地域の制圧を断念していない。６月２９日、リシチャンシクとヴェルフニョカムヤンカの民間インフラが砲撃された。今朝は、ロシア軍がヴェルフニョカムヤンカ付近へ侵攻、リシチャンシク石油精製所近くへの襲撃を行なっている」と説明した。

その他、３０日８時時点の各州軍行政府の情報をもとにした報告書の概要は以下のとおり。

ヘルソン州（南部）：数千人の住民が恒常的な砲撃を受けながらの生活を４か月以上続けている。電気も水もない。ベルシラウ地区とカホウカ地区、及びミコライウとスニフリウカと接する自治体では、約半分の建物が被害を受けており、道路は壊され、橋が爆破され、丘とインフレツ川川辺は地雷が埋められている。ロシア軍は、住民を呼び集めて協力を強制している。郵便企業「ウクルポシュタ」、エネルギー企業「オブルエネルホ」、「ヘルソンガス」にてそのような会合が開かれた。企業従業員が報告している。

スーミ州（北部）：前日、ロシア軍は、国境隣接自治体を迫撃砲、多連装ロケットシステム、榴弾砲で砲撃。ヘリでのミサイル攻撃や、無人機での爆発物投下もあった。住民が１名死亡、４名負傷。

ハルキウ州（東部）：ハルキウ市周辺へ夜間の砲撃があった。最新情報では犠牲者なし。日中、敵は、インドゥストリアル地区を砲撃。ハルキウ州では、昨日日中、ゾロチウにて二つの倉庫が炎上。過去２４時間、州内で住民５名が負傷（チュフイウ地区の１１歳の児童含む）。イジューム地区で１名が死亡。

ドネツィク州（東部）：全線全域で戦闘継続。敵砲撃により、アウジーウカ、チャソヴィー・ヤル、クラスノピッリャ、ペルヴォマイシケの住宅が損傷。州内はガスが止まっており、水と電気も部分的に止まっている。ガス供給の再開は不可能。過去２４時間で住民が２名死亡、３名負傷。

ドネツィク州の攻撃被害　写真：ドネツィク州国家警察

その他の州は相対的に平穏だった。