ロシア軍、ウクライナ8州で攻撃継続 各地で死傷者発生=各州情勢
レズニチェンコ・ドニプロペトロウシク州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて伝えた。
レズニチェンコ氏は、「意図的に『グラート』にて、ニコポリの住宅街を砲撃してきた。30弾以上が発射された。暫定情報では、2名死亡、9名負傷だ」と書き込んだ。
負傷者の内6名が病院に運ばれ、その内4名が児童だという。
同氏はまた、「砲撃による民間住宅3軒が木っ端微塵で、約10軒が損傷した」と補足した。
また、ニコポリ市内には、不発弾が散らばっており、処理班が作業をしているとのこと。
南部ザポリッジャ州の州軍行政府は19日、テレグラム・チャンネルにて、同州フリャイポレに対してロシア軍が多連装ロケットシステム「グラート」で砲撃を行い、住民に死者が出たと伝えた。
発表には、「今晩、敵はグラートと火砲にて、フリャイポレ市中心部を砲撃した。暫定情報では、死者が出ている」と書かれている。
行政府はまた、行政委員会、市議会、文化・スポーツ施設、郵便・通信局、民間住宅に被害が出ていると伝えた。
目撃者情報では、砲弾は20発以上だったという。
東部ドネツィク州では、19日の敵の砲撃を受けたスロヴヤンシクにて、救助隊が住宅瓦礫の下から男性住民2名の遺体を引き出した。国家非常事態庁がフェイスブック・アカウントにて報告した。
発表には、「民間住宅の構造部分が破壊された。現在、瓦礫除去の事故救出作業が終わったところである。事件現場にて、瓦礫の下から男性2名の遺体が見つかり、引き出された」と書かれている。
また砲撃着弾現場では、乗用車が炎上したとのこと。
また、ドネツィク州軍行政府は、19日のクラマトルシク市への砲弾が着弾した集合住宅の動画を公開した。
発表には、「今日のクラマトルシクへのミサイル攻撃により、1名死亡、6名負傷。爆発物専門家の結論では、敵は航空機から巡航ミサイルR-37を使用したとのこと」と書かれている。
動画では、被害を受けた集合住宅が映っている。
その他、各軍行政府の20日8時時点の情報をもとにした報告書の概要は以下のとおり。
ドネツィク州(東部):敵は、クラホヴェ、トレツィク、アウジーウカ、クラマトルシク、ソレダール、スロヴヤンシク、バフムート、ヒルニク、ザリーズネ、コスチャンティニウカ、ヴェセーレ、オピートネ、ノヴォウクラインカ、ボホヤウレンカ、ピウデンネを攻撃。56軒の建物・施設が損傷(内20軒が民家、16軒が集合住宅)。20日未明から朝にかけて、敵は、コスチャンティニウカとトレツィクをミサイルで攻撃、アウジーウカを火砲で砲撃、学校、収容所、インフラ・産業施設が損傷。過去24時間で同州での民間人犠牲者は、死者5名、負傷者16名。
スーミ州(北部):ロシア軍は過去24時間、国境隣接自治体を越境砲撃。78発の砲弾が放たれた。砲撃を受けたのは、ビロピッリャ共同体、ノヴォスロビダ共同体、ホティン共同体、エスマン共同体。死者なし。朝、敵は、シャリヒネ共同体を迫撃砲で砲撃。砲撃は現在も継続している。
チェルニヒウ州(北部):夜間、ノウホロド=シヴェルシク地区とチェルニヒウ地区へと3回砲撃が確認。敵は、機関銃と多連装ロケットシステムを使用。犠牲者なし。
オデーサ州(南部):夜間敵はSu-35からミサイル攻撃実施。ミサイルの1つは防空システムにより撃墜。2発目が使われていない倉庫に着弾。火災は迅速に鎮火された。人的被害なし。
ハルキウ州(東部):夜間、ゾロチウにて敵砲撃により民間建物で火災発生。夜間敵は、チュフイウを砲撃し、砲弾が行政施設近くの学校敷地に着弾、後者が損傷、犠牲者なし。過去24時間、州内で、ロシア軍は、ハルキウ地区、チュフイウ地区、イジューム地区、ボホドォヒウ地区を砲撃、民間住宅、経済施設などで火災発生。州内の民間人犠牲者は、死者がバラクリヤで1名、負傷者がハルキウ地区で2名、チュフイウ地区で1名。
ルハンシク州(東部):州境にて、ロシア軍は、ミサイル攻撃を7弾、迫撃砲3弾、榴弾砲を使った襲撃を2回、多連装ロケットシステムの支援を受けた攻撃を2回行った。ロシア政権と「LPR行政府」は、ロシア侵略軍の行為への「幅広い市民の支持」の幻想を生み出し、自らのイデオロギーを植え付けようとしている。その目的から、ルハンシクの人道支援センターに、ロシアの政党「統一ロシア」が「市民イニシアティブ・サポート・センター」なるものを開いた。また、シェヴェロドネツィクでは、占領政権が市内に学校や幼稚園への子供の登録や教育施設での就業を呼びかけるちらしを配っている。
その他の地域は相対的に平穏だった。