ロシア占領者、赤十字にオレニウカ収容所へのアクセスを与えず=宇オンブズマン
ルビネツ全権がテレビ番組出演時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ルビネツ氏は、「ロシア連邦は、あたかもオレニウカの悲劇の現場へのアクセスをICRCと国連監視団の代表者に与えたとする発表とは違い、私は今日、ICRCから、アクセスを与えられていないとの返答を受け取った」と発言した。
その他同氏は、ウクライナ人権問題代表(オンブズマン)事務所はICRC代表者とはコミュニケーションが良く取れているが、国連代表者とのやりとり状況は「もっと悪い」とコメントし、オレニウカ事件の直後に送った書簡への返事が数日経っても得られていないと指摘した。
これに先立ち、ウクライナ軍参謀本部は、7月29日の被占領下ドネツィク州オレニウカにあるウクライナ人捕虜の収容されていた収容所に対する砲撃はロシア軍による意図的なものだと発表していた。ウクライナの検事総局は同日、死者約40名、負傷者130名の被害を出した同日のドネツィク州オレニウカへのロシア連邦の砲撃についての刑事捜査を開始した。
なお、ドネツィク州オレニウカには、占領政権による濾過施設(編集注:厳重な人物調査を行う場所)が2つあることが知られていた。これら施設には、元治安機関職員、親ウクライナ活動家、調査にて「望ましくない」人物と認定された市民、マリウポリ市民の避難支援を行っていたボランティアなどが拘束されていた他、マリウポリ防衛戦に参加し、その後投降したウクライナ軍人も収容されていることが知られていた。
ウクライナ軍参謀本部は5月17日、ウクライナ最高軍司令部が東部マリウポリ製鉄工場「アゾフスタリ」に駐留する部隊の指揮官たちに対して、人員の命を守るよう命令を出したと発表していた。これを受け、264名の軍人をロシアに占領されている自治体に避難する作戦が実行された。その際、参謀本部は、内211名の軍人は人道回廊を通じて被占領下のオレニウカへと避難させられたとし、彼らの今後のウクライナ政府管理地域への帰還は、(被拘束者)交換手続きを通じて行われると説明していた。