ポドリャク宇大統領府長官顧問、ウクライナの戦争勝利の条件を説明
ポドリャク氏による仏ル・フィガロ紙へのインタビューが大統領府ウェブサイトに掲載された。
ポドリャク氏は、「この戦争に勝つ唯一の手段は、恐れることを止めることだ」と発言した。
さらに同氏は、ウクライナが最近経験したような大規模砲撃は、プーチン露大統領にロシアにおける権力を維持することを可能にするものだと指摘し、プーチン氏はこれまでロシア軍は世界第2位の軍だと豪語していたが、現在世界中がロシア軍の弱さを目にしてしまっているからだと指摘した。
またポドリャク氏は、プーチン氏とその周辺人物を弱体化するには、ウクライナが戦術面での勝利を重ねていく必要があると述べた。そして、「私たちが数の面で劣ること、武器の数が少ない点を、私たちは戦略的勝利、より良い計画でもって補填している。ロシアのエリート兵はすでに死んでいる。ロシアの新たに駆り出された者たちは、訓練水準が低い。ロシアは、火砲にのみ賭けている。私たちは、それとの均衡は模索しておらず、背後からの攻撃で戦場を突破している」と発言した
同氏はまた、ウクライナにはより多くの戦車や、長距離射程の多連装ロケットシステムが必要だと強調した。
そして同氏は、「それは数学だ。新たな武器が入ってくるたびに、私たちの奪還が早まるのだ。私たちの勝利は、3つの条件が揃えば可能となる。(1)民間人も軍人も合わせて、ウクライナ人が今のような高い士気を維持すること。(2)武器が今後も入ってくること。(3)ロシアのエリートたちがさらに罰せられること。そして、私たちは、今『和平提案』なるものについて話しているロシアのプロパガンディストたちの話は聞いてはいけない。ロシアは、時間稼ぎをしようとしている」と発言した。
同氏はさらに、核兵器のテーマで印象操作をするのはやめようと呼びかけた。その際同氏は、ウクライナは核兵器を持っていないのであり、ロシアが核兵器分野の文書を遵守しないのであれば、他の核保有国が相応の対応をしなければならないと強調した。
また同氏は、「近い将来、私たちは、民間人を守るために防空体制を強化しなければならない。その中で、欧州の人々は『ウクライナ人は武器を受け取るべきか?』などとまだ考えているのだ」と発言した。
その他同氏は、ウクライナは1991年時点の自国領全てを取り戻さねばならないと主張した。さらに同氏は、「ロシアの戦争犯罪者たちは、ウクライナについてだけでなく、ジョージア、シリア、2014年以降のドンバスでの過去の戦争全てについて裁かれねばならない。ウクライナの勝利は、欧州全体が苦しんでいるロシアの優位偏見主義を治療することになり得る」と指摘した。
また同氏は、ロシアが欧州において極右や極左の政治勢力を支持していることや、エネルギー危機を作り出したことを指摘した。
加えて同氏は、「もしウクライナが負ければ、ロシアは欧州全体を支配し、自らの価値を押し付けてくるだろう。ウクライナは、戦争を遂行する能力を示したが、私たちは支援が必要だ。時間は終わりに向かっている。恐怖はない」と発言した。