ロシア軍人はまだ宇南部ヘルソン市にいる=地元記者
民主イニシアティブ基金主催の記者会見時にニュースサイト「橋」のニキテンコ編集長が発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ニキテンコ氏は、「私たちは、誰もどこにも逃げていないとの考えに傾いている。ヘルソン周辺での(防衛の)準備や陣地作成という事実はほぼない」と発言した。同氏はまた、現時点でロシア軍人は、ヘルソン市から20キロ離れた郊外に戦闘のための拠点を作っているとし、ヘルソン市内の状況については「塹壕も要塞もない。全く何も起きていない」と発言した。
同時に同氏は、市内では多くのロシア軍人が産業地区に滞在しており、使われなくなった工場やその周辺の住民のいないところにいると指摘した。その点につき、同氏は、「彼ら(ロシア軍人)は、近くにウクライナ人、民間人がいたら、自分たちのことが必ず報告されて、ミサイル攻撃を受けるということを、この8か月間で学んだのだ」と発言した。また同氏は、恐怖のあまり彼らは、自分たちの支配している領域は、通信・インターネット用の電波を遮断してしまっていると指摘した。
その上で同氏は、「しかし、彼らがヘルソンから(今のところ)逃げ出していないというのは、事実だ」と発言した。
また、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は同日、ロイター通信に対して、ロシア軍のヘルソン市からの撤退について話すのは時期尚早であると発言した。
ポドリャク氏は、「ヘルソンにはまだウクライナ国旗は掲げられていない。ロシアの撤退を話すのは意味がない」と発言した。
同氏はまた、ツイッター・アカウントにて、ヘルソンにはロシア軍人が多く残っており、同地域には予備戦力が投入されていると指摘した。同氏は、「行動は、言葉より雄弁だ。ウクライナは、ロシアがヘルソンを戦闘なく明け渡すという兆候を見ていない。同市には、かなりの数の露集団が維持されており、地域には追加的予備が集結している。ウクライナはインテリジェンスの情報を頼りに領土を解放するのであって、テレビ演説は頼らない」と書き込んだ。
これに先立ち、ロシア軍にてウクライナでの軍事作戦を指揮しているスロヴィキン司令官が9日、ショイグ露国防相に対して、占領するウクライナ南部ヘルソン州の州都ヘルソン市を含むドニプロ川右岸からの撤退を提案。これを受けて、ショイグ露国防省は、同提案に同意した上で、部隊の撤退を命令したことが報じられていた。