「南部であれ、東部であれ、敵に作戦の詳細を明かすことはしない」=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領が同日夜の動画メッセージで発言した。
ゼレンシキー氏は、「南部について。私たちは少しずつ進み、一歩ずつ足場を固めている。今日は、情報空間で、非常に多くの喜びが見られている。理由はわかる。しかし、戦時下は特に、私たちの感情は抑制的でなければならない」と発言した。
また同氏は、「南部であれ、東部であれ、どこであろうと、敵に私たちの作戦の詳細を明かしてやることは絶対にない。私たちの結果が出る時には、間違いなく皆が目にすることになる」と指摘した。
その際同氏は、自身のコメントは、誰かにとっては「期待していたようなものではないかもしれない」としつつ、「しかし、理解しなければならない。力を感じていなければ、誰もそんな簡単に立ち去ることなどないのだ。敵は、私たちにプレゼントはしないし、『善意の印』も示しはしない。私たちが全て勝ち取っているのである」と発言した。同時に、「勝ち取るというのは、一歩一歩が常に敵の抵抗に遭うということ、それは常に私たちの英雄の命の喪失であるということは理解せねばならない」と指摘した。
その上で同氏は、「そのため、私たちは非常に適切に前進している。感情なく、無駄なリスクを冒さずにだ。全領土解放のためであり、損耗を最小限とするためである。そのようにして私たちは、ヘルソン、カホウカ、ドネツィク、その他の私たちの町の解放を実現する」とし、同時に、「しかしそれは、私たちの努力の結果、私たちの防衛作戦の結果である」と強調した。
その他同氏は、ロシア側に対して、「モスクワにいる一人一人の人に警告したい」とし、カホウカ水力発電所の爆破、ウクライナ領での洪水の引き起こし、ザポリッジャ原子力発電所を水不足にすることは、「世界中に対して宣戦布告することを意味する」と述べ、「そうなれば、あなた方に何が起こるか、考えよ」と発言した。
これに先立ち、ロシア軍にてウクライナでの軍事作戦を指揮しているスロヴィキン司令官が9日、ショイグ露国防相に対して、占領するウクライナ南部ヘルソン州の州都ヘルソン市を含むドニプロ川右岸からの撤退を提案。これを受けて、ショイグ露国防省は、同提案に同意した上で、部隊の撤退を命令したことが報じられていた。
ストルテンベルグ北大西洋条約機構(NATO)事務総長は同日、ロシア軍の同発表につき、NATOは今はヘルソン周辺の情勢展開を観察しているところだと発言した。
写真:大統領府