ウクライナ、クリミア脱占領後のロシア国民の帰還案を検討中
タシェヴァ常駐代表がウクラインシカ・プラウダ通信のコラムページに見解を投稿した。
タシェヴァ氏は、「一時的被占領下のクリミアとセヴァストーポリに入り込んだロシア連邦国民の運命に関しては、今のところそれは安全保障問題であり、将来ロシアの侵略を再来させない保証の1つである」と発言した。
同氏はまた、ウクライナ国内法に従えば、2014年以降、ウクライナの通過検問地点以外を通って半島に入域した、あるいは、ウクライナの通過検問を通ったが滞在期間に違反した外国人は全て、クリミア領内に違法に居住していることになると指摘した。
そして同氏は、「決定はシンプルであり、国際法にも反しない。すなわち、違法に半島に到着した者は、クリミア自治共和国とセヴァストーポリを自発的退去あるいは強制送還の手段で立ち去らねばならない、というものだ」と強調した。
また同氏は、ウクライナ現行法は外国籍者・無国籍者の強制送還を定めているとし、同法にもとづいて、ロシア国民のクリミアからの帰還のためのメカニズムが策定されていくと指摘した。
同時に同氏は、現時点ではクリミア脱占領後のロシア国民全員の帰還案が検討されているとしつつも、「ウクライナ領内から出国した後に、ウクライナ領に戻れるようにする可能性に関しては、ウクライナ国内法に従って決められることになる」とも伝えた。
同氏は、その場合、多くの要因が考慮されなければならず、個々の案件が個別に検討されていくことになると指摘し、例として、クリミア・プラットフォーム事務所は、クリミアに暮らしているロシア国民の中に積極的な親ウクライナ的な立場を示してきた者もいることを把握していると伝えた。クリミア政治囚の親族や、政治囚の弁護士を行っているロシア国籍者であり、占領裁判所で捏造された罪を言い渡されたクリミア・タタール系やウクライナ系の活動家を弁護してきた者たちが該当するという。
その他同氏は、クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表部は、世界の外国人帰還の例を分析しているとし、例えば、1990年代にユーゴスラビア崩壊時にセルビアとモンテネグロから攻撃を受けたクロアチアの例を挙げた。同氏は、「クロアチアが成功した軍事作戦『稲妻作戦』『嵐作戦』を通じて自国領を解放した時、約20万人のセルビア人は一時的占領地を自ら立ち去っている」と指摘した。
他方で同氏は、ウクライナは被占領下(クリミア)半島の状況の特別性、ウクライナ国民の利益、ウクライナの現代の現実を考慮した再統合方策を策定していくと伝えた。