「ゼレンシキー氏は2月まで協議の意向を一度も取り下げなかった。戦争を始めたのはプーチン氏」=マクロン仏大統領
マクロン仏大統領がワシントンでの記者会見時、記者からの「ウクライナはクリミア返還とロシアとの協議開始を条件づけているか」との質問に答える形で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
マクロン氏は、自身が数年にわたってノルマンディ・フォーマット(編集注:独仏宇露4者からなる宇露間紛争解決協議フォーマット)をモニターしてきたこと、つまりミンスク諸合意の履行に責任を負っていたことを喚起した。同氏はまた、ゼレンシキー宇大統領とプーチン露大統領が実際に会ったのは2019年12月の1度きりだと指摘した。
そして、同氏は、「私は、議論して、合意に至りたいと思っていた真心ある大統領(ゼレンシキー氏)を見てきたと、言うことができる」と述べ、ゼレンシキー宇大統領は今年の2月まで協議を行う意向を一度も取り下げたことはなかったと強調した。
その上でマクロン氏は、「戦争を始めることを決めたのはプーチン大統領だ。2月初頭のウクライナとロシアへの渡航時を含め、私はそのことの直接の目撃者である。そのため、ゼレンシキー大統領に協議のための条件がかなり多くあることには、合法的なのだ。今、私たちは、和平合意の条件となり得ることの本質について作業せねばならない。そしてその後、今後数週間、数か月の展開が、私たちに、正しいタイミングとウクライナ人の選択を告げることになろう」と発言した。
ゼレンシキー大統領が提案した10項目からなる和平計画については、マクロン仏大統領は「私は、彼と作業を始めるのは、私たちの義務だと思っている。なぜなら、ウクライナ人たちの側には議論の場に行きたいという真の願望があるからだ」と発言した。
さらにマクロン氏は、プーチン氏と協議を行う上での自らの立場を改めて説明した。同氏は、その協議の目的はエスカレーションを回避し、具体的なことを達成することだとし、「そのため、特に私は、安全とザポリッジャ原発保護の問題について協議する」と発言した。
また同氏は、「私たちは、それを行い続けなければならないし、私たちはそれを続けていく」と述べた。
これに先立ち、ゼレンシキー宇大統領は、11月15日、G20首脳へ向けたビデオ演説を行った際に、ロシアによる対ウクライナ戦争の終結に向けた10項目の提案を行っていた。