ポリティコ、ゼレンシキー宇大統領を「欧州で最も影響力ある人物」に選出
ゼレンシキー宇大統領は、フェイスブック・アカウントにて、ポリティコに対して同選出に感謝する動画メッセージを公開した。
ゼレンシキー氏は、「ポリティコ・ヨーロッパによるウクライナの人々への賞賛に感謝している。『ウクライナの人々への』だ。なぜなら、リーダーというのものは、自分だけではなく、その民の共通の意志、共通の夢、共通の目的を代表してはじめて、真に影響力ある人物となることができるからだ。私たちは、ウクライナでそうやって生きている」と発言した。
同氏はまた、ウクライナ人は現在最大限団結しており、だからこそ最大限強力であり、自分たちの独立を守ることに集中しており、そのため多くの成功を収めているのだと指摘した。
同氏は、「私たちは、全てを失う脅威の前に立たされた。そして、ナンバーワンになる力を見つけ出したのだ」と強調した。
さらに同氏は、前線で人々を守っているウクライナ軍人は「ナンバーワン」だとし、「マルインカ、アウジーウカ、バフムート、ソレダール、クレミンナ。お願いだ、これらの地名を覚えておいて欲しい。今正にそこで、欧州における私たち皆にとっての自由を巡る戦いが起きている。激しい戦いの中、多くの人の命を代償にして」と伝えた。加えて同氏は、戦時下でも国の生活のために必要なあらゆるものを提供し続け、雇用を維持し、税金を払っているウクライナのビジネスを行う人々も「ナンバーワン」だと指摘した。さらに、「ウクライナの医師、電力事業者、地雷除去専門家、ボランティアの人々、輸送業者、建設業者、防衛産業の職員、教師、警察、外交官…。この恐ろしい時を乗り切るための支援をしている何十万人の人、何百万人の人。彼らがナンバーワンなのだ」と強調した。
また同氏は、その全ての人々、全てのウクライナ人を代表して、共通の夢と目的のため、この戦争における共通の勝利、再建、欧州の人々の共同体への完全な統合のための共通の意志に方向を示すことは、自身にとって名誉であると伝えた。
そして同氏は、「私は、来年もウクライナ人たちが最も影響がある人々であると信じている。しかし、その時はもう『平和の中で』だ」と発言した。
また、ポリティコは、ウェブサイト上でゼレンシキー氏の選出を解説する記事を公開した。
発表には、「欧州は変わった。大陸は、自らの戦略的関係を見直しており、防衛に真剣に向き合い、貿易、統合、エネルギー安全保障の分野の政策を再考している。広義には、それは、『欧州人とは何か』の再考であり、それは概して、ウクライナのコメディアンから大統領に転身した人物のおかげで起きている」と書かれている。
ポリティコはまた、ウクライナがロシアからの攻撃を受けるのは今回が初めてではないが、他方で、今回のプーチン露大統領による全面的侵攻を受けるまで、欧州はほとんど何もしてこなかったと指摘した。
そして、「今回全てが違う理由は、ヴォロディーミル・ゼレンシキー氏個人にある。欧州は、彼を信頼しているだけでなく、夢中になり、彼の後を追っている。これまでのウクライナ大統領の時とは違い」と書かれている。そして、欧州の首脳たちが、ゼレンシキー氏と写真を一緒にとるためにキーウをできるだけ早く訪れたがっていると指摘されている。
同時に記事では、ゼレンシキー氏は、欧州の未来がウクライナと結びついていることで残りの欧州を説得することができたとし、全面的侵攻が始まるまではそのことを信じているものは少なかったと書かれており、とりわけ、以前は、ドイツとフランスが、ロシアはパートナーになり得る、と信じていたことが指摘されている。
なお、ポリティコは、プーチン露大統領府を欧州の今年の「敗者」に選出している。