ロシア軍、ウクライナ南部ヘルソンを砲撃 市民５名死亡＝各地被害
南部作戦司令部「ピウデン」がフェイスブック・アカウントで伝えた。
ピウデンは、「ヘルソンにて、敵が住宅街、重要インフラ、児童保育施設、病院、民間ガレージ、自動車を攻撃した」と伝えた。
いくつかの建物・集合住宅は著しく破損したという。また、市場やバス停へも着弾があったとし、通り、自宅、職場にいた民間人の間に死傷者が出ていると書かれている。現時点で、死者６名、負傷者１２名が判明しているという。
同時にヘルソン市議会は、犠牲者数は「死者５名、負傷者１６名」だと訂正した。
写真：ピウデン
ゼレンシキー宇大統領も、テレグラム・チャンネルにて、同攻撃につき報告した。
ゼレンシキー氏は、「ロシア軍がヘルソンを大規模に砲撃している。またしても、無慈悲に民間人を殺している。自動車販売場、住宅街、集合住宅、公共交通機関停留所へ着弾がある。このテロ攻撃により、残念ながら、死傷者が出ている。近親者を失った方に哀悼を捧げる」と書き込んだ。
さらに同氏は、「世界は、ロシアの残虐性、攻撃性に際限がないことを１分たりとも忘れてはならない。テロ国家は、私たちの民とウクライナへの全ての非人間的犯罪の責任を負っている」と強調した。
その他、ロシア軍は、２０日から２１日にかけて、ウクライナ８州への攻撃を継続した。
ウクライナ各地の軍行政府の２１日９時時点の情報をまとめた報告書の概要以下のとおり。
チェルニヒウ州（北部）：過去２４時間、ロシア軍は５回、榴弾砲と迫撃砲で砲撃。砲撃されたのは、チェルニヒウ地区とコリュキウ地区。犠牲者、破壊なし。
スーミ州（北部）：２０日、ロシア軍はエスマン共同体、ビロピッリャ共同体、クラスノピッリャ共同体、ユナキウカ共同体を砲撃。犠牲者、破壊なし。
ザポリッジャ州（南部）：過去２４時間。ロシア軍は、バラビネ、フリャイポレ、オリヒウシケ、チャリウネ、チェルヴォネ、ステプノヒルシク、ステポヴェ、オリヒウ、ザリズニチュネ、ノヴォダニリウカ、マラ・トクマチュカ、ノヴォアンドリーウカ、マリニウカ、シチェルバキ、テミリウカ、パウリウカ、マフダリニウカの民間インフラを攻撃。敵砲撃による破壊の通報が計４０件接到した。
ドニプロペトロウシク州（南部）：過去２４時間、ロシア軍は３回ニコポリ地区を攻撃。火砲砲弾がマルハネツ共同体とチェルヴォノフリホリウカ共同体に着弾。
ハルキウ地区（東部）：２１日朝、チュフイウ地区ルビージュネ村で不明の爆発物により男性が負傷。スロボダ方面とクプヤンシク方面では、２５以上の自治体が敵の砲撃を受けた（ストリレチャ、クラスネ、ゼレーネ、テルノヴァ、ボチュコヴェ、マラ・ヴォウカ、オゼルネ、フリホリウカ、ドヴォリチュナ、クプヤンシク、フリャニキウカ、ピシチャネ、クロフマリネ、ペルショトラウネヴェ）。またフラニウへの空爆があった。２０日、クプヤンシク地区ノヴォオシノヴェ村へのロシア軍の攻撃により、民間住宅と経済施設が損傷し、火災が発生。ヴォウチャンシクでは、敵の砲撃により、民家が損傷。ドヴォリチュナでは、３軒の民家が損傷。
ルハンシク州（東部）：ロシア軍は主な戦力をクプヤンシク方面とリマン方面、特にネウシケ、への攻勢のために向けている。ステリマヒウカ、ネウシケ、プロシチャンカ、ジブロヴァ、チェルヴォノポピウカ、ビロホリウカが敵の攻撃を受けた。ビロホリウカは空爆も受けた。ルハンシク州の被占領地では、住民がウクライナ国籍証明書を様々な口実で剥奪されている。
ドネツィク州（東部）：過去２４時間、ロシア軍は４０回の砲撃を実施。攻撃にロシア軍はＳ－３００、多連装ロケットシステム「スメルチ」「グラート」、榴弾砲を使用。敵の砲撃を受けたのは、アウジーウカ、バフムート、クラホヴェ、トレツィク、チャシウ・ヤル、カルリウカ、ヴェリカ・ノヴォシルカ。さらに、アルハンヘリシケ、ホストレ、ベルディチ、ヴェセーレ、ドォボヴォ＝ヴァシリウカ、イェリザヴェチウカ、ゾリャネ、イヴァノピッリャ、カテリニウカ、クレバン＝ビク、クラスノホリウカ、ラストチュキネ、マクシミリヤニウカ、ノヴィー・コマル、ノヴォバフムチウカ、ノヴォポクロウシケも攻撃された。ドネツィク州の敵の砲撃により、民間・経済施設が多く損傷。過去２４時間で民間人が３名死亡、５名負傷。
ヘルソン州（南部）：ウクライナ軍参謀本部の情報では、３５以上の自治体が敵の砲撃を受けた（ゾロタ・バルカ、ドゥドチャニ、カチュカリウカ、ズミーウカ、ベリスラウ、コザツィケ、ミコライウカ、アントニウカ、ヴェセーレ、ブルフンカ、イヴァニウカ、インジェネルネ、ヘルソン、ビロゼルカ、ドニプロウシケ、ベレホヴェ、ヴェレテンシケ）。攻撃により、アントニウカでは２名の住民が死亡、３名が負傷。ヘルソン州の解放された地域からは、過去２４時間で４３名が避難した。
