ウクライナ軍に今クリミアを奪還するだけの十分な力はない=ゼレンシキー宇大統領
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ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は、共同通信へのインタビュー時に、現在ウクライナ軍には、一時的被占領下のクリミアを取り戻すための十分な力はないと認め、奪還のためには外交的手段を見つけなければならないと発言した。
ウクライナ大統領府が、ユーチューブ・チャンネルにて、ゼレンシキー大統領の共同通信へのインタビュー時の発言を公開した。
ゼレンシキー氏は、「私たちにはクリミアを取り戻す力が足りない。私たちの軍には十分な力がない。外交的手段を見つけなければならないが、しかし、(編集注:それが可能となるのは)私たちが、ロシアが再び侵略で戻ってこないほどに、十分に強くなったと認識した後だけだ」と発言した。
また同氏は、クリミアが戦略的な意味を持つのは、ウクライナにとってだけではないと指摘した。
同氏は、「そこ(クリミア)は基本的に世界にとって戦略的である。なぜなら、クリミアをコントロールするものは、黒海の安全保障をコントロールするからだ。皆がそれを知っている。食料安全保障の全ての回廊が(編集注:黒海に)ある。例を示そう。プーチンがクリミアを占領した時、彼は黒海を封鎖した。アフリカ、アジア、欧州の国々にはウクライナからの農産品が届かなくなったのだ」と発言した。
同時に同氏は、プーチン氏は「私たち(ウクライナ)が全ての被占領地に戻ってくることを知るべきだ。外交的手段が望ましい。なぜなら、犠牲を少なくするからだ」と発言した。
これに先立ち、ゼレンシキー大統領は、米フォックスニュースへのインタビュー時に、いずれの被占領地も法的にロシア領と認めることはできないとしつつ、クリミアの奪還は外交的手段で行う準備があると発言していた。
写真:大統領府