ウクライナ西部リヴィウで国際司法会議開催 ロシアの戦争犯罪・侵略犯罪追及を確認
カーンICC主任検察官は、記者会見時に第二次世界大戦後にドイツの戦争犯罪を裁いたニュルンベルク国際軍事裁判を喚起する演説を行った。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
カーン氏は、「私たちは、様々な違反に関する報告をたくさん目にしている。捕虜への拷問、性犯罪、意図的な砲撃…。マリウポリでの産院や劇場の破壊、電力供給源の破壊…。私たちは、証言を文書化し、証拠を集めている」と発言した。
同氏はまた、自身の共同捜査チーム(JIT)や各国の国内機関が侵略国がウクライナで行った犯罪の報告をたくさん受け取っているとしつつ、証拠に多すぎるということはないが、然るべき形で集められるようにしなければならないとも発言した。
さらに同氏は、ニュルンベルク国際軍事裁判を覚えておくことが重要だとし、同裁判で国際法に対する犯罪は、象徴的な主体が行うのではなく、人間が犯していることを定めたことを喚起した上で、そのような犯罪を行った人物を罰してはじめて、国際法の履行が保障できるのだと発言した。
ゼレンシキー宇大統領は、同会議にて、ロシアに対する特別法廷を設置することが国際刑事裁判所(ICC)が解決できない、侵略犯罪に責任がある人物の責任追及という問題を解決することになると発言した。
ゼレンシキー氏は、「ここ(リヴィウ)で、今、私たちは、包括的プロセスの新しいレベルに入る。その終幕は、ロシアの侵略の罪人の判決となる。第一に、私たちの『正義のための団結』が、国連総会でのウクライナの決議を採択するための強力な後押しを達成させねばならない。その決議は、ウクライナに対するロシアの侵略犯罪に関する特別法廷の設置を促すものだ。法廷は、ICCが不可能な、侵略犯罪の責任追及の問題を解決する鎖となる」と強調した。
さらに同氏は、ウクライナにICC事務所が解説されると発表し、それは正義にとって大きな出来事だと指摘した。同氏は、「私たちは、ICCとの相互関係をさらに強化し、それはテロ国家国民の責任の追及に役立つだろう」と発言した。
同氏はまた、ロシアが児童に対して行った犯罪、国外への連れ去り、ウクライナ・アイデンティティの抹消の試みに特に注意を払うべきだと指摘した。
米国のガーランド司法長官は、演説にて、米国は法改正を行い、外国で戦争犯罪を行った人物の追訴をできるようにしたと説明した。ガーランド氏は、「それはつまり、今後数年、数十年、私たちの国に滞在するロシアの戦争犯罪者は、自身が裁判にかけられること、戦争犯罪者に米国で身を隠せる場所はないことを知らねばならないということだ」と発言した。
さらに同氏は、米国は侵略犯罪に関与した人物の責任追及確保に向けた国際社会の努力を支持していると発言し、またその観点でニュルンベルク裁判に言及し、その際、市場最も凄惨な犯罪の1つを犯した者たちの責任を追求するために、法の支配への信念が示されたのだと発言した。
同氏は、「今日、国際社会は、ロシア軍が犯している蛮行を記録すべくここ、ウクライナで団結した。私たちはここに、ロシアの凄惨な犯罪の犠牲者となった人々のためにここへ来た。正義と責任を達成するためだ」と強調した。
また、ゼレンシキー氏は、同日、テレグラム・チャンネルにて、複数のパートナー国の検事総長と会談を行ったと報告した。