和平提案を出すなら、まずウクライナを訪れるべき=ボレルEU上級代表
ボレルEU上級代表がルクセンブルクでのEU外務理事会会合後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ボレル氏は、「私たちは、いつもと同じく、ウクライナに関して議論を行った。クレーバ宇外相がビデオ会議の際に私たちの現場情勢やウクライナの優先課題や必要な物についての最新情報を提供した。私たちは、ウクライナが緊急で弾薬とミサイルを必要としていることを知っている。彼らは自分の領土を守るためにそれを必要としているのだ。それは、『ロシアもウクライナも止まりたがっていない』ということではない。違う。それをそのように提示してはいけない。ロシアは侵攻を止めたがっておらず、ウクライナはやむを得ず自衛を継続しているのだ。それがそこで起きていることを説明する際の正しい方法だ」と指摘した。
また同氏は、「ウクライナで起きている凄惨なことに鑑みて、多くの人が平和を呼びかけている。私もまた平和を呼びかけている。しかし、そうした呼びかけの声は、ロシアが国境に軍を集結させていた時にはどこにあったのであろうか? 私たちは皆平和を望んでいるし、誰よりもまず、ウクライナ人自身が望んでいる。しかし、それは公正な平和でなければならないし、それまでは私たちはウクライナの防衛を支持し続ける」と発言した。
さらに同氏は、中国やブラジルがウクライナにおける情勢の平和的解決案なるものを出していることを喚起しつつも、そのような提案が効果的なものとなるには、それを出す者がまずウクライナと対話し、ウクライナを訪れ、侵略を自分の目で見て、毎日爆撃を受けている人の目を見なければならないと指摘した。同氏は、そのようないかなる「平和創設者」も、現地で何が起きているのか、国際法を破り、他国に侵攻した侵略国がどのようなものかということや、その侵略には犠牲者がいるということにつき、非常に明確なイメージを得るべきであり、と強調した。
そして同氏は、「私たちは、誰かが『一方も止めたがっていないし、もう一方も同じだ』と述べるようなアプローチは受け入れることができない。違う。あなた方は、侵略者と被侵略者を同じレベルに据えてはいけない。正にそのために、私たちはウクライナを支えており、戦車や防空システムや、さらには戦闘機を供与しているのだ。そう、加盟国の中には、航空能力を提供している国もある」と発言した。