ロシア・ウクライナ戦争は消耗戦に変わってきている=NATO事務総長
ストルテンベルグ事務総長がビルニュスでのNATO市民フォーラムでの演説時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ストルテンベルグ氏は、「これまでも何か月にもわたってそうであったのだが、この戦争は現在いよいよ消耗戦に変わってきている。消耗戦は兵站の戦いだ。弾薬、予備部品、燃料を供与し、修理とサービスを確保せねばならない。その点での需要は甚大だ。私たちはNATOから、加盟国レベルで産業界と連携しようとしており、製造量は徐々に増加してきている。しかし、私たちが戦争開始の時点から使った予備の使用を考慮すると、全ての製造能力が活かされるまでには一定の時間がかかる」と発言した。
同氏はまた、その点に関連して、各加盟国の弾薬予備が尽きつつあり、そのようなシステムは長続きしないことから、ウクライナのための弾薬供給は挑戦となっているとし、そのため産業を関与させることが決定的な意味を持つと指摘した。さらに同氏は、EUもまた、同方面で努力を行っており、それによって徐々に状況が正されてきていると伝えた。
その他同氏は、「どのような具体的種類の弾薬が供与されるかというのは、各同盟国の判断に委ねられる。同盟国の一部はクラスター弾に関する条約に署名しているのに対して、一部は署名していない。よって、それはNATO全体の立場ではない」と発言した。
同氏は、クラスター弾は現在のロシア・ウクライナ戦争にてすでに使われていることを喚起しつつ、ロシアはそれをウクライナへと侵攻して、同国領土を占領するために使っているのに対して、ウクライナはそれをロシアの侵略に対する自衛のために使っているのだと指摘した。
また同氏は、「戦争は、もともと予想できないものであり、それは私たちが期待しているよりも長く続くかもしれない。それに対して私たちが取り得る唯一の対応は、ウクライナと一緒に必要な限りずっと一緒に立ち続けることであり、私たちはウクライナのための私たちの支援を増やし続けなければならない。この首脳会議のメッセージはそういうものとなるし、NATO同盟国、私たちのパートナーからのメッセージはそういうものとなる」と発言した。
さらに同氏は、この戦争は2014年に始まったのだと述べ、その時からNATOはウクライナを支援し続けており、全面侵攻開始以降はその支援を著しく強化したことを喚起した。
そして同氏は、「反転攻勢は極めて重要だ。ウクライナ人は領土を奪還しており、彼らはロシア占領軍を追い返しているが、彼らは整えられたロシアの陣地での抵抗や、地雷原や『竜の牙』、その他の防衛障害物とぶつかっている。それは、当然ながら、挑戦である。しかし、改めて言うが、私たちの唯一可能な対応は、ウクライナを支え続けることなのだ」と発言した。
なお、11日、ビルニュスにてNATO首脳会議が始まった。