「機動が可能になっている」=ウクライナ軍報道官、南部の露軍第二防衛線での情勢を説明
シュトゥプン報道官が公共放送局「ススピーリネ」にコメントした。
シュトゥプン氏は、「敵はリソースを分割していた。もし、3つの防衛戦で100%で割るなら、それ(比率)は60%(編集注:第一防衛線):20%(第二防衛線):20%(第三防衛戦)となる。つまり、第一防衛線はぎっしり地雷が敷設され、コンクリートで固められ、大量の対戦車兵器があった。第二防衛線もまた、大したことないと言うことはできない。ここにもまた、かなり強力な設備があるし、かなりよく築かれているのだが、しかしそこでは、私たちには兵器と兵力の機動を行うことが可能となっている」と発言した。
同氏はまた、ロシアの第二防衛線の設備は技術面ではそれほど強固ではないとも指摘した。さらに同氏は、「また地雷原についても、第一防衛線よりは若干少ない。ただ、それを容易に取り払えると思ってはいけないが。第二防衛線の地雷原は少ないのだ」と発言した。
その他同氏は、第一防衛線ではウクライナの軍人は手動で地雷除去を行っていたとし、「なぜなら、敵はあらゆる兵器を狙って破壊しようとしていたからだ。そのため、兵器は後退させねばならなかった」と指摘した。同氏は、これに対して、第二防衛線では地雷除去が包括的に行われていくだろうと指摘した。
その際同氏は、「私たちはもう歩兵を守ることができている。第一防衛線では、私たちは、狭いルートを突破していたのであり、密集した地雷原のせいで兵器も歩兵も左にも右にも動けなかった。ここ(第二防衛線)では私たちは、機動が行える場所に抜け出ており、敵もまた何らかの対応をせざるを得なくなっている」と伝えた。
その上で同氏は、ザポリッジャ州でのウクライナ防衛戦力の成功により、突破口となる場所により多くの兵力を展開できるようになると述べた。加えて同氏は、「そして、うまく進めることを期待している。ただし、それは、弾薬の数や、敵の行動といった、多くの要素に左右されるものでもある。しかし、アゾフ海沿岸の方向へと首尾よく進めることを期待している」と発言した。
また同氏は、ウクライナ側のこの動きにロシア側も対応し、予備兵力を集結させているとしつつ、「それ(集結させている予備兵力)は若干少ない。ただし、現在敵は、防衛に空挺部隊を利用し始めている。それは、彼らにとっては通常とは異なることだ。ロシア人たちは、彼ら(空挺部隊)をエリートとしてみなしているのであり、彼らがいわゆるエリートを防衛戦で利用しているのであれば、彼らのところで何かがうまくいっていないということである」と発言した。
これに先立ち、ウクライナ防衛戦力による同国南部での反転攻勢の指揮を行うタルナウシキー作戦戦略部隊集団「タウリヤ」指揮官は、ウクライナ防衛戦力はザポリッジャ南部でロシアの第一防衛戦を突破したと発言していた。
また、米国のカービー米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)戦略広報調整官は1日、ロシアからの領土奪還のための反転攻勢を続けるウクライナ軍による同国南部ザポリッジャ州南部での過去72時間の顕著な進展を指摘していた。
写真:参謀本部