ロシア軍、ウクライナを再び大規模攻撃 5州の電力インフラを狙う ハルキウ州で停電
ウクライナ大統領府のクレーバ副長官は、テレグラム・チャンネルにて、11日朝ウクライナの電力システムに対するさらに大規模攻撃が行われたとし、東部ハルキウ州、南部ザポリッジャ州、オデーサ州、西部リヴィウ州、首都近郊のキーウ州の4週の電力インフラを狙って数十の自爆型無人機とミサイルが発射されたと伝えた。同時に、死傷者は出ていないとも報告した。
またクレーバ氏は、とりわけ東部ハルキウ州の状況が最も困難だとし、「そこではハルキウ市だけで10弾以上のミサイル攻撃があった。テロ国家は、ハルキウのインフラを破壊し、街を暗闇にしようとしている。現時点で、州内で停電が生じており、ハルキウ州20万世帯以上に電力供給がないままだ」と伝えた。またハルキウ市の地下鉄は、シェルターとして利用されているという。
写真:クリメンコ内務相(テレグラム)
東部ハルキウ州のティモシュコ州国家警察長官は、フェイスブック・アカウントにて、11日朝、ロシア軍はハルキウ市をおそらく地上発射型誘導ミサイル「S300」で攻撃を仕掛けたと報告した。
南部ザポリッジャ州のフェドロウ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、ロシア軍はザポリッジャ州に航空誘導ミサイルを発射し、ミサイルの内2弾は撃墜できたが、電力インフラ施設への着弾もあり、破損があると報告した。犠牲者情報は入っていないとのこと。
南部オデーサ州のキペル州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、電力インフラ施設敷地内で撃墜された自爆型無人機「シャヘド」の破片で火災が発生したと報告した。
キペル氏は、「未明、敵は再びオデーサ州を自爆型無人機で攻撃。私たちの防空戦力は、7機の無人機を撃墜した。撃墜された無人機の破片により電力施設の敷地内に火災が発生した」と報告した。
火災は迅速に鎮火されたという。負傷者なし。
首都近郊のキーウ州については、クラウチェンコ州軍行政府長官が、フェイスブック・アカウントにて、敵の攻撃を報告した。
クラウチェンコ氏は、「本日未明、キーウ州は自爆型無人機とミサイルにより大規模な攻撃を受けた。警報は5時間以上続いた。残念ながら、キーウ州の空襲警報の際に重要インフラ施設が攻撃された」と伝えた。
同氏は、現時点では、死傷者の情報は入っていないとし、現場では施設の消火活動が続いていると伝えた。
西部チェルニウツィー州では、ザパラニューク州軍行政府長官が、フェイスブック・アカウントにて、同州では空襲警報の際に防空戦力がミサイルと自爆型無人機を撃墜し、犠牲者は出なかったと報告した。
ウクライナ空軍のオレシチューク司令官は、テレグラム・チャンネルにて、11日未明、ロシア軍は82点のミサイルと自爆型無人機をウクライナに受けて発射、この内ウクライナ防空戦力は57点を撃墜したと報告した。
ロシア軍が発射したのは、以下の82点のミサイルと自爆型無人機。
・巡航ミサイル「Kh101/Kh555」20弾(露サラトフ州の戦略爆撃機「Tu95MS」から発射)
・空中発射型弾道ミサイル「Kh47M2キンジャル」6弾(露タンボフ州の戦闘機「MiG31K」から発射)
・地上発射型誘導ミサイル「S300」12弾(露ベルゴロド州から発射)
・自爆型無人機「シャヘド131/136」40機(露プリモルスコ=アフタルスク、被占領下クリミア・チャウダ岬から発射)
・航空誘導ミサイル「Kh59」4弾(被占領下ザポリッジャ州上空から発射)
ウクライナ防空戦力が撃墜したのは、以下57点。
・「Kh101/Kh555」16弾
・「シャヘド131/136」39機
・「Kh59」2弾