露宇戦争の前線の状況激化=シルシキー宇軍総司令官
シルシキー総司令官がテレグラム・チャンネルで報告した。
シルシキー氏は、「前線の状況が激化している。敵は、戦略的主導権を奪い、前線を突破しようと、兵力・機材で著しい優位を生み出してはいくつかの方面に基本的努力を集中させている」と伝えた。
また同氏は、敵は前線全域で激しく攻撃をしており、いくつかの方面では戦術的成功を得ていると報告した。さらに、戦況はダイナミックに変化しているとし、いくつかの地点は24時間の間に複数回の奪い合いが生じており、状況の理解が複雑となっていると指摘した。
同氏は、今週は前線全域で激しい戦闘が続いたとし、状況はダイナミックに変化しており、複数の地点では敵が戦術的な成功を得ていると同時に、いくつかの地点ではウクライナ側が戦術的状況を改善させることができたと形容した。
そして同氏は、個別に、東部ルハンシク州では、敵は飛行戦力、ミサイル、榴弾砲砲弾の数における優位を利用しようとしているとし、敵の主要な課題はルハンシク州全土の制圧だと指摘した。
また、同氏は、東部ハルキウ州クプヤンシク方面では、ステリマヒウカ村とベレストヴェ村に敵の努力が集中していると伝えた。ここでは敵が部分的な成功を納めているが、しかし、ウクライナ防衛戦力によって止められているという。また、敵はリマン方面テルニ村で攻勢を続け、ウクライナ軍をチョルニー・ジェレベツまで追いやろうとしているが、うまくいっていないという。
シヴェルシク方面では、敵はビロホリウカとロズドリウカの地区で攻勢をかけており、スロヴヤンシクへと進軍するための条件を作るためにシヴェルシクを突破し、封鎖しようとしているが、成功していないという。
クラマトルシク方面では、最も激しい地点はイヴァニウシケとチャシウ・ヤルだという。敵は、クリシチウカのコントロールを再奪取して、「シヴェルシキー・ドネツ〜ドンバス」水路へと到達しようとしているという。
最も困難な状況はポクロウシク方面とクラホヴェ方面で、そこでは激しい戦闘が続いていると報告された。敵はこれら方面で最大4個の旅団を展開しており、アウジーウカとマルインカからポクロウシクとクラホヴェへ向けて西へと進軍しようとしているという。
ウクライナ防衛戦力は、軍人の生命を維持しつつ、より西のベルディチ、セメニウカ、ノヴォミハイリウカの新しいラインへと移動(編集注:後退の意)したという。シルシキー氏は、概して、敵は、これら方面で一定の戦術的成功を得ているが、しかし作戦的優勢は得られていないと説明した。同氏はまた、ウクライナ側は、敵兵員・機材に最大限の損耗を与えたと伝えた。これら方面の強化のために、損耗を出した部隊の後退と戦闘能力を回復した旅団の移動が行われているという。
同氏は、南部のザポリッジャ州とヘルソン州の情勢も緊迫していると伝えた。そして同氏は、敵はノヴォパウリウカ方面のスタロマヨルシケ、オリホヴェ方面のロボティネとヴェルボヴェで進軍を試み、ヘルソン方面では、クリンキからウクライナの戦力を追い出そうとしていると報告した。同時にヘルソン方面では、ウクライナ部隊がヴェレテンシケ地区で前進し、ネストリハ島の支配を確率したと伝えた。
その他同氏は、ウクライナ防衛線力がクプヤンシク方面のシンキウキとリマン方面のセレブリャンシケ森林部で自らの戦術的状況を改善することができたと報告した。
北部では、スーミ州とチェルニヒウ州で、ロシア側が工作・偵察活動を続けているという。
シルシキー氏は、兵員に休暇を与え、部隊の戦闘能力を回復するために部隊の交代が継続していると伝えた。
同時に、訓練センターでは兵員の訓練が続いていると述べた。
また、防衛線と陣地の要塞化活動が継続されているという。
その他、同氏は、パートナー国との間で、できるだけ早い装備品の受け取りに向けた作業が行われていると報告した。