ロシアはウクライナの動員や「政権正当性」をテーマとする情報攻勢を活発化=偽情報対策センター
ウクルインフォルム
ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)傘下偽情報対策センターは20日、ウクライナ情勢を不安定化させることを目的とした特殊作戦「マイダン3」の一環でロシアのプロパガンダが活発化していることが確認されていると報告した。
偽情報対策センターがテレグラム・チャンネルで伝えた。
報告には、「ロシアは、あらゆるアクセス可能な情報手段で、ウクライナ政権の『正当性』についてのナラティブを推進し、ウクライナ人が抗議集会に向かうように仕向けている。また、敵は、ウクライナの動員の評判を落とすためのキャンペーンを強化している」と書かれている。
ロシア政権の目的は、前線の攻勢を受けながら、ウクライナの政治情勢を不安定かし、社会に混乱を作り出し、ウクライナ国民が気にかけている問題について印象を操作する情報を広めることだと指摘されている。
センターは、敵はウクライナの国際的支援を弱めて、同時にウクライナの防衛能力も低下させるために、政治的危機を生み出したがっていると強調し、その上で、オンラインで拡散されているウクライナの情勢に関する情報には批判的見方を持って接し、敵の印象操作に引っかからないように注意するよう呼びかけた。
これに先立ち、今年3月、ウクライナ国防省傘下情報総局のユソウ氏は、ロシアがウクライナに対して今年の3〜5月に実現を目指すとする特殊作戦「マイダン3」に、クレムリンがセルゲイ・キリエンコ露大統領府第一副長官やウラジスラフ・スルコフ元大統領補佐官などを関与させること決めていると報告していた。ロシア側は、6月前半にはウクライナ情勢を動揺させることに成功し、その状況を使う形で、ウクライナ東部でウクライナを軍事的に敗北させることを考えているのだという。
また、2月には、米ワシントンポスト紙も、欧州情報機関が入手したクレムリンの情報工作に関する内部文書を入手・調査した記事を公開している。