ロシアは小児病院攻撃の責任を回避しようと偽情報を拡散している=戦争研究所
ISWが8日付報告書で伝えた。
ISWは、「ロシアの政権関係者と情報空間アクターは、証拠がある中で、ミサイルや病院の状態に関する偽の主張を作り出すことを通じて、小児病院『オフマトディト』への攻撃の責任をかわそうと試みている」と指摘している。
その際、ウクライナ偽情報対策センターが7月9日に、同攻撃の非難をかわそうと、ロシアの様々なプロパガンダ情報源が、広範な情報作戦を増幅していると警告したことが伝えられている。情報作戦の中には、ウクライナが同病院の一部あるいは全体をウクライナ負傷兵の治療のために利用していた、ウクライナが病院にミサイルを保管していた、病院に着弾したのはロシアのミサイルではなくウクライナの防空ミサイルだった、という偽の主張が含まれているという。
さらに、ロシアの情報源がミサイルが小児病院「オフマトディト」に着弾する1秒前の画像を拡散したり、ロシアの軍事ブロガーが着弾したのはロシアのミサイル「Kh101」ではなく、ウクライナの防空ミサイルだったと主張したりしていると報告されている。
他方で、ISWは、動画に写っているミサイルの軌道と、ミサイル胴体の下部に見えるターボジェットエンジンは、ミサイル「Kh101」のフレームと合致しており、それは防空システムの迎撃ミサイルだとする主張を支持するものではなく、さらには、飛来したミサイルは迎撃ミサイルにより破損したようにも見えないと説明している。
その他、ウクライナ保安庁(SBU)が、今回のミサイルの部品は、他のロシアがウクライナに向けて発射した「Kh101」の型番と一致すると発表したことも伝えられている。
これに先立ち、ウクライナへの全面侵略戦争を続けるロシア軍は、キーウ、ドニプロ、クリヴィー・リフ、スロヴヤンシク、クラマトルシクに対して大規模ミサイル攻撃を行っていた。首都キーウにおける死者数は27名に上っている。