ウクライナ軍人、北朝鮮軍人2名を拘束 尋問実施中=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領がフェイスブック・アカウントで伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私たちの戦士は、クルスク州で北朝鮮軍人を拘束した。2名の兵士で、負傷はしているが生き延びており、キーウへ運ばれ、保安庁の捜査官とやりとりしている」と伝えた。
また同氏は、その課題は容易ではなかったとし、「通常ロシア人や北朝鮮の他の軍人は、自らの負傷者にとどめを刺して、北朝鮮というもう1か国の対ウクライナ戦争への参戦の証拠を残さないように、あらゆることを行なっている」と説明した。
そして同氏は、「その2名を拘束したウクライナ特殊作戦軍第84戦術グループの戦士たちと空挺部隊の戦士たちに感謝する。北朝鮮のこの2名の兵士は、他の被拘束者同様、必要な治療が与えられている」と強調した。
その上で同氏は、SBUに対して両名へ報道関係者のアクセスを提供するよう指示を出したと伝え、「世界は、何が起きているか知るべきだ」と書き込んだ。
同日、保安庁(SBU)広報室もまた、拘束された2名の北朝鮮兵について報告した。
SBUは、「ウクライナ防衛戦力の戦士は、クルスク州で露シスト(編集注:ロシア+ファシストの造語)のために戦っていた最初の北朝鮮軍人を拘束した。これにより、戦争犯罪を記録し、捜査しているSBUは、ロシアによる私たちの国に対する戦争における北朝鮮の参戦の否定し得ない証拠を得たことになる」と伝えた。
拘束された両名の内1名は、2025年1月9日に特殊作戦軍第84戦術グループの隊員により拘束され、もう1名はウクライナ軍の空挺兵により拘束されたという。
SBUは、ジュネーブ条約に規定されているとおりに、両名には拘束後すぐにあらゆる必要な治療が施されたと指摘した。
初期捜査の実施のために、両名はキーウへと搬送されたという。SBUは、両名は国際法の要件に合致した適切な条件で拘束されていると訴えた。
また両名は、ウクライナ語も英語もロシア語も話さないため、対話は韓国国家情報院の要員との連携によって韓国語通訳を通じて行われているという。
拘束された際、1名はロシア軍の軍人手帳を携帯しており、そこにはロシア連邦内のトゥヴァ共和国に登録された別の人物の名前が記載されていたという。もう1名は軍人手帳を携帯していなかったという。
そしてSBUは、「身分証明書が見つかった方の北朝鮮軍人への尋問の際、同人物はSBU職員に対して、その手帳は2024年秋にロシアで発行されたと発言した。そして、彼の言葉によれば、北朝鮮戦闘部隊の一部は露シスト部隊との調整を1週間行ったという」と伝えた。
同人物は、2005年生まれで、小銃兵の身分で、北朝鮮では2021年から軍役に就いているという。
さらにSBUは、「この被拘束者が、全面侵攻初期のロシア軍人と同様、ウクライナに対する戦争ではなく、あたかも訓練のためにやってきたと強調していることは、特筆に値する」と指摘している。
もう1人の北朝鮮兵は、自らの仲間の証言が正しいことを認めたという。この人物は、あごを負傷していることから、質問に対する返答の一部を筆記で行ったという。
暫定情報では、同人物は1999年生まれで、2016年から狙撃・偵察兵として北朝鮮軍の兵役に就いているという。
SBUは、ロシアの対ウクライナ戦争への北朝鮮軍人の参戦のあらゆる環境を明らかにするために、必要な捜査を行っていると伝えた。捜査は、検事総局の手続き監督の下、ウクライナ刑法典第437条(侵略戦争の計画、準備、開始、遂行)に従って行われているという。
写真:ゼレンシキー大統領(フェイスブック)