
「ロシアに停戦を結ぶつもりがあるようには見えない」=チェコ大統領、露軍のオデーサ攻撃にコメント
キーウを訪問しているパヴェル大統領が発言した。ラジオ・プラハ・インターナショナルが報じた。
パヴェル氏は、20日にオデーサを訪問していたが、同日夜ロシア軍はオデーサ州に対して大規模な無人機攻撃を仕掛けていた。これにつき、パヴェル氏は、暫定情報のみを受け取っているが、それによりればそれはオデーサに対する最大の攻撃だったとし、「若干これまでと異なる空撃戦術」が用いられたとコメントした。
その際同氏は、おそらく、和平交渉へのアプローチを変えさせるためには、ロシア側に対して著しく圧力を強める必要があるだろうと指摘した。そして同氏は、「私たちが見ること、聞くことのできていることからして、今のところ、ロシア側には何らかの停戦を結ぶつもりがあるようには見えない。間違いなく、米国大統領が話してきたような圧力の行使が必要であり、それはロシアが反応するような、同国がかなり実感を覚えるものでなければならない」と強調した。
報道によれば、パヴェル氏は21日、キーウ市内にあり、昨年7月にロシア軍のミサイル攻撃を受けた小児病院「オフマディト」を訪問したという。その際、パヴェル氏は、ロシアは国際法を無視して、医療施設だけでなく、救急車なども攻撃しており、戦争犯罪を実質的に行っていると指摘した。そして同氏は、「私が聞いた話や、記録され、ハーグに提出されたことからして、そのような事例は何百とある」と発言した。
また同氏は、チェコ政府が参加しているウクライナ文化遺産の救済、書籍や写本などの保存と修復に携わっているプロジェクト「コウチェフI」も視察したという。その際同氏は、「文化遺産は、単に象徴というだけでなく、個々の民の基本である。もし、ウクライナ人たちが自らのアイデンティティの源泉を感じるものを保存できなければ、彼らはアイデンティティを部分的に失ってしまうかもしれないのだ」と発言した。
写真:パヴェル・チェコ大統領(インスタグラム)