モトール・シーチ社売却契約問題は「全ての関係者の利益を考慮した上で終わる」=外務次官
ボジョク外務次官がウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した。
ボジョク氏は、「私は、全ての関係者の利益が考慮された上で全てが終了することを確信している」と発言した。
記者が、本件合意に関しての今後の決定が、ウクライナと中国や米国の関係を悪化させることはないかと尋ねると、同氏は「そのようなことは私たちの計画には入っていない」と回答した。
同氏は、モトール・シーチ社売却合意を巡る状況は、機微な投資を巡る管理システムが機能すべきものであり、特定の場合には国益の観点からスタンダードな経済活動が制限されねばならない、という状況の一例だと指摘した。
更に同氏は、2002年に輸出管理システムが設立されたのは、有名な「コリチュハ・スキャンダル」(編集注:2002年にクチマ当時大統領と軍事関連品の貿易を実施する国営ウクルスペツエクスポルト社幹部らしき人物による、国際制裁を回避してイラクにウクライナの通信傍受システム『コリチュハ』4台を売却することについての会話が、傍受され公開された問題。クチマ当時大統領とウクライナの国際イメージを著しく悪化させたことで知られる)とX-55ミサイル・スキャンダルの後に、米国側から支援を提案されて実現されたものだと述べた。
同氏は、「今、ウクライナの国家輸出管理システムは発展・補完しなければならない。(中略)私たちは、米国側パートナーと、補完につき新しいプロジェクトを開始することで合意した。輸出管理システムを戦略的貿易コントロールへと変革させるためのアップグレードだ。私たちは、国家管理システムに、複数の新しい要素、とりわけ、世界の安全保障の観点から脅威を生み出しかねない機微な技術を明らかにするシステムや、機微な投資と呼ばれる国家・国際安全保障の観点から重要な分野への外国からの投資を管理するシステムを加える」と伝えた。
また同氏は、同様の問題は、欧州連合(EU)でも最近発生していると指摘し、「そのため、彼らも、ウクライナで私たちが作り始めたのと同様のシステムを作らねばならないと考え始めている」と発言した。
なお、これに先立ち、本年8月、米国はウクライナに対して、モトール・シーチ社を中国に売却することのリスクについて警告していた。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、モトール・シーチ社関連の合意文書は米国政権幹部によって中国の更なる軍事力拡大となると受け止められていると報じていた。
昨年10月10日、ゼレンシキー大統領は、「『モトール・シーチ』の件では、どの国がウクライナのパートナーかということが優先課題なのではない。私たちの優先課題は、同社がウクライナに残ることである」と述べている。