露占領軍がウクライナ東部にてOSCE監視団の活動を体系的に妨害=宇統一部隊本部
ウクライナ統一部隊作戦本部がフェイスブック・アカウントにて、SMM日報を参照する形で伝えた。
発表には、「現在、SMMの活動は、ミンスク書合意への違反を確認する唯一の効果的かつ偏見の入らない手段となっている。ロシア連邦とロシア違法武装集団は、その点を理解した上で、SMMマンデート要件をあからさまに無視し、SMMの無人機へジャミングを行なったり、SMMパトロールのウクライナ領一部一時的非政府管理地域へのアクセスを禁止したりしている」と書かれている。
統一部隊は、2021年2月から、「ロシア連邦武装集団によるミンスク書合意の様々な違反件数の増加と同地におけるSMMの活動妨害の件数には、相関関係が見られる」と伝えた。
加えて、OSCE/SMMの日報によれば、2021年3月を通じて、SMM無人機へのジャミングは92回確認されており、4月は、最初の週の時点ですでに50回確認されていると説明されている(編集注:なお、SMMは9日、長距離無人機がジャミングらしきシグナル干渉を受けたとしてスポットレポートを発行している)。
同時に、ウクライナ軍部隊によって、SMM無人機の飛行妨害を行なっているロシア連邦の電子戦システムの活動が確認されているとあり、シェヴェロドネツィク方面はクラジーウカに、アウジーウカ方面はドネツィク市に、マリウポリ方面はベズイメンネにシステムが集結しているようだと指摘されている。また、統一部隊は、ジャミング機器の性能からして、SMM無人機へのジャミングは、コンタクト・ライン上ほぼ全域で可能となっていると説明した。
統一部隊は、SMMの日報によれば、SMMパトロールはまた一時的被占領地にて体系的な移動の制限も受けているとし、SMM要員がロシア連邦武装集団側から様々な口実をもって、移動を許可されていないと指摘した。2021年3月には、そのような移動制限事例は9回、4月8日時点では13回の制限事例が確認されていると報告した。
その上で、統一部隊は、「OSCEパトロールのアクセス制限事例とロシア連邦傭兵によるミンスク書合意違反事例の分析により、それらが相互に密接に関連していることがわかっている。そこから、ロシア連邦武装集団が兵器、軍用機器を訓練地やウクライナ軍配置地点への攻撃地点に集結させていることを隠蔽しつつ、同時に偽情報を生み出し、ウクライナ政府がミンスク書合意を違反しているとして非難するという目的を追求していると結論づけることができる」と伝えた。
統一部隊は、OSCE/SMMのパトロール活動妨害事例はまた、ロシア連邦との国境でも確認されているとし、国境では違法武装集団がロシア領からの兵器・軍用機器などの移動を隠そうとしていると指摘した。