米ウクライナ国防省、複数協定に署名
ゼレンシキー大統領は、国防省間で署名された協定は、両国間関係を前に進めるものだと発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
大統領は、「今はまだ、これらの文書がどれほど歴史的なものになるのか、それがどの程度両国関係を新しいレベルに押し上げるのかにつき、述べるのは難しい。しかし、私は、そうなって欲しいと強く思っている」と発言した。
ウクライナ国防省広報室は、タラン国防省とオースティン米国務長官が政府間分析・開発・試験・評価分野プロジェクト協定に署名したと発表し、今回の署名は両国間の科学技術・軍事技術方面の強力進化の結果だと伝えた。
国防省は、同協定により、先進的防衛技術の導入、米国投資を誘致した上での防衛・軍事技術の近代化プロジェクトの条件が創出されると指摘した他、ウクライナにない兵器・軍事技術の実験、結果の確認・評価のための方策実現が可能になり、米国の分析機関が米国のプロジェクト実現に参加できるようになると説明した。
また国防省は、防衛パートナーシップ戦略的基盤枠組協定は、防衛分野の二国間関係にとっての重要な原則と野心的目的を定めるものだと説明している。その手段は、(1)安全保障分野の現在・今後の挑戦の解決のための二国間の共通の優先課題を推し進めること。(2)法の支配、人権尊重を含む、共通の民主的価値へのコミットメントを確認すること。(3)米国防省による、ウクライナの主権・領土一体性への揺るがないサポートを確認し、またロシアによるクリミア占領とウクライナ東部侵略を非難すること。(4)ウクライナの軍事潜在力と領土一体性維持への準備を高め、NATOとの相互互換性を進展させ、地域安全保障を促進するために、ウクライナ・米国の国防省間の連携の更なる行動を定めること。(5)2021年6月のNATO首脳会談の結論文書となるコミュニケにて、米国と同盟国が宣誓したように、ウクライナによるNATO加盟願望を含め、同国が自らの将来の外政方針を外国の介入とは無関係に定める権利を持つことへの支持を米国防省が改めて認めること、になると説明された。
さらに同協定は、2026年12月までに、両国国防省が注力する目的を定めているという。その中には、ウクライナ国防分野のNATO原則・基準に従った改革、ウクライナ防衛調達の透明性の上昇、コーポラティブ・ガバナンス改革の導入、科学技術分野の長期戦略的パートナーシップの構築が含まれるとある。
また、黒海地域における航行の自由、あらゆる軍事活動分野における外国の脅威・挑戦への効果的対応、サイバーセキュリティ分野の協力強化、軍事計画・防衛作戦をサポートするための軍事情報コミュニティ間のより緊密なパートナーシップを確保することを目的とした、黒海地域協力の深化が予定されている。
発表には、「安全保障分野の2者間強力及び米国からのサポートは、訓練・演習の完全なプログラムを含め、ウクライナがロシアの侵略と対抗することを助けるものである」と書かれている。
さらにウクライナ国防省は、同日、ウクライナ国家宇宙庁と米国防省の間で、宇宙飛行安全・宇宙状況認識サービス・情報提供協力覚書が署名されたことを発表した。
同覚書は、両国が宇宙空間の利用における協力の拡大への関心・願望を示したものだという。
発表には、「同覚書により、宇宙飛行の安全向上、サービス・情報交換を目的とした、宇宙状況認識の共同利用の法的根拠とメカニズムが作られる」と書かれている。
同覚書により、米宇宙軍からの宇宙状況認識サービス・情報の提供を受ける条件がウクライナに創出されるという。
なお、ゼレンシキー大統領は現在米国を訪問している。9月1日には、バイデン米大統領との会談が行われる。大統領の訪米は、9月5日まで続く予定となっている。