シビハ宇外相、NATO加盟国に「ホーク」「ナサムス」等の追加防空システムの緊急供与を呼びかけ
ウクライナ外務省広報室が公表した。
発表によれば、シビハ外相は3日、ブリュッセル訪問時にNATO本部を訪れ、ウクライナ・NATO理事会外相級会合に出席するという。
シビハ氏は、報道関係者に対して、NATO同盟国との協議の主要議題は緊急軍事支援、ウクライナ防衛産業への投資、冬季のウクライナ・エネルギーシステムへの支援、ウクライナのNATO加盟への道の進展だと伝えた。
さらに同氏は、記者たちに対して、現在の戦況を伝えた上で、状況は厳しいと発言した。
そして同氏は、「私たちはロシアを止めねばならず、ロシア軍が私たちの領土へと進むのを許してはならない。彼らのロジックは明らかだ。彼らは、自らの将来の協議の立場を強めるために、できるだけ多くの領土を占領しようとしている」と強調した。
そして同氏は、ロシアによる複数の欧州諸国へのハイブリッド攻撃や、イランや北朝鮮の対ウクライナ直接侵略への関与についても言及した。
同氏は、欧州はロシアの侵略の新しい現実に入り込んだとし、同盟国に対して、ウクライナに対して必要な数と種類の兵器を提供し、ロシア抑止パッケージを強化するという、断固とした決定を採択するよう呼びかけた。
その際同氏は、NATOはロシアの侵略の代償を増大させるべきだと強調した。
その他同氏は、ウクライナの年次国家計画の実現における進展を評価したパートナーたちに謝意を伝え、ウクライナは必要な改革の実現に取り組み、その方向で迅速に進んでいく義務があると強調した。
加えて同氏は、同盟国に対して、冬季のウクライナのエネルギー強靭性の強化のために、追加の防空システムの緊急提供を要請した。その際同氏は、「ウクライナは『ホーク』『ナサムス』『アイリスティー』といった防空システムを追加で少なくとも20機の供給を緊急で必要としている。それは全面停電を回避するのに役立つ」と強調した。
また同氏は、ブダペスト覚書の原本を示しながら、同覚書はウクライナの安全保障を犠牲にするどのような長期的安全保障決定も受け入れられないことの証明だと発言した。
その際同氏は、ブダペスト覚書が署名から30周年を迎えていることを喚起した上で、「この文書、この紙は、ウクライナと大西洋間の安全を保障することができなかった。私たちは、このような過ちの再現を回避せねばならない。その文脈で、私たちは、パートナーたちと『力を通じた平和』概念について協議する」と強調した。
なお、3日、ブリュッセルにて、2日間のNATO外相級会合が始まっている。主要議題の1つは、ウクライナ支援の増加。また、ロシアやその他全体主義国家によるNATO加盟国に対するハイブリッド攻撃への対抗についても話し合われる。
また、日本の自衛隊が保有してきた防空システム「改良ホーク」は、不用決定物として解体処分が決められている。