ウクライナのNATO加盟は欧米にとって戦略的意味を持つ=元米特別代表
ウクルインフォルム
カート・ヴォルカー元米国務省ウクライナ問題特別代表は、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟することは、欧州全体と米国の安全保障にとって戦略的意味を持つ問題だと発言した。
ヴォルカー氏が、英字紙「キーウ・ポスト」の主催するウクライナNATO関係に関するウェビナールの際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ヴォルカー氏は、「私は、ウクライナのNATO加盟は、欧州全体の安全保障にとっての戦略的意味を持つ問題であると確信している。もちろん、ウクライナにとってもそうであるが、しかし欧州、そして米国にとっても戦略的意味を持つ問題だ」と発言した。
同氏は、ウクライナはNATO加盟のための基準を満たすために多くのことを行ったが、さらに多くのことをしなければならないと述べた。同時に同氏は、その基準の履行にのみ加盟への障害があるのではなく、政治的な問題もあると指摘した。具体的に同氏は、「NATOはコンセンサスで決定を採択する。それは、共通の決定を採択するには各加盟国が同意しなければいけないということだ。そして私たちは、多くの欧州の国が、それ(編集注:ウクライナのNATO加盟)がロシアにとって挑発的なステップとなるのではないか、それによってNATOがドンバス紛争に引き込まれるのではないか、ウクライナは十分改革をしていないのでは、過度に腐敗しているのではないか、といったことを恐れていることを知っている。私たちは、NATOの中でウクライナを加盟に招待する上でのコンセンサス形成に問題を抱えているのだ」と発言した。
その上で同氏は、NATOはウクライナの加盟問題に関して「現実的なこと」について話を始めるべきだと主張し、ウクライナが具体的な課題を履行する一方で、NATOの個別の加盟国においてもウクライナの加盟問題に関する「政治的ダイナミズムの変化」が起こる可能性を指摘した。