「私たちには安全の保証が必要だ」=ゼレンシキー宇大統領、NATOへメッセージ
ゼレンシキー大統領がマドリードで開催されているNATO首脳会談へオンラインで演説を行なった。
ゼレンシキー氏は、NATOが東側面の新しい理解が必要だと強調し、安全保証のグレーゾーンは、ウクライナとともに取り除くことができると発言した。そして、「次の一つの事実をどうか考えて欲しい。今、NATOの加盟国ではない1つの国が、あなた方のサポートを受けてではあれど、それでも単独ですでに4か月以上、あなた方が公式に自分たちにとっての主要な脅威だと定めようとしている国家を抑えているという事実を」と強調した。
またゼレンシキー氏は、ロシアを孤立させねばならないと述べ、「ロシアが壊したがっている国際機関に、ロシアがいてはならない。ロシア自身が対話を求め始めない限りは、意味のない対話はすべきでない。ロシア自身が対話を求めるべき、ロシア自身が平和を求めるべきなのだ。そして、平和のためにNATOの東側面の理解を必ず再検討すべきだ。東部のNATO加盟国全て、私たちの隣国全てが、NATOへのウクライナ加盟を支持しているのは、果たして偶然だろうか? 否、それは偶然ではない。それは論理なのだ。それが私たちの地域における生活の意味なのだ」と強調した。
さらに同氏は、NATOのオープンドア・ポリシー原則につき、キーウの地下鉄の古い改札のように、支払いが済まない限り「近づいたら閉まる」ようなものを喚起させるようではいけないと述べつつ、「本当にウクライナの支払いは不十分なのだろうか? 私たちの欧州防衛への貢献、全ての文明への貢献は、今も不十分なのだろうか? あと何が必要なのだろうか?」と問いかけた。
その上で同氏は、ウクライナに必要なものは「安全の保証だ」とし、「あなた方は、ウクライナに共通の安全保障空間における居場所を見出すべきだ」と強調した。
加えて、同氏は、勝利のために十分な遅延なき武器の提供を呼びかけつつ、そのような提供がなければ、将来、(編集注:ウクライナが戦争に負けることで)NATOとロシアとの戦争が生じるおそれがあると警告した。
なお、6月28〜30日、マドリードにて、NATO首脳会談が開催されている。加盟国首脳たちは、ロシアをNATOにとっての脅威と位置づける「戦略概念」を採択する見込み。