「空を解放すれば、私たちは前進できる」=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領が訪問先のラトビア首都リガでの記者会見時に発言した。
ゼレンシキー氏は、「前線の状況は非常に困難だ。私たちには武器が足りない。仮にロシア人が空を支配しておらず、私たちに十分な数の防空システムがあれば、私たちは彼らの航空機を破壊することができたであろう。試してみたら、それは機能した。空でそれらを破壊すれば、前進できる。彼らが空を支配しているから、ウクライナで広範な前進がないのだ。(中略)彼らが2年前に占領した領土の内50%を私たちは脱占領した。(中略)もし私たちが空を解放したら、前に進めるだろうし、解放しなければ、今いるところに居続けることになるだろう」と発言した。
さらに同氏は、ウクライナ領のロシア軍の進軍は、彼らが民間人殺害を恐れず、自治体に入るより前にそれを破壊してしまっているから実現できていることだと指摘した。同時に同氏は、ロシアは過去1年で主張とはうらはらに大きな町は一つも占領できていないことを喚起した。
そして同氏は、「なぜ一つも(編集注:ロシアが占領できた大きな)町がないのか。なぜなら、人々が残っているからだ。彼ら(ロシア)は恐れている。確かに彼らは私たちの国民を火砲やS300で殺している。しかし、彼らはさらなるブチャが生じることを確かに恐れており、彼らは町を完全に破壊することはできない。なぜなら、ブチャ、マリウポリはジェノサイドだからだ。彼らは今はそのように『誤る』ことを望んでいない。それは彼らの表現だ。そのため、彼らは人々が逃げ出すように町を攻撃し、それから町に入り、全てを破壊している。これが彼らが1つも町を占領できていない理由だ。これが彼らがあなたの村に入ってきた場合に何が生じるか、という問いに対する、全ての人のための答えだ。あなたが降伏しなければ、彼らはあなたの村には入ってこない」と発言した。
さらに同氏は、ロシアが徹底的に破壊して、その後町に入り制圧したバフムートを例に挙げ、「私たちは、彼らが誇るバフムートのような例を知っている。あそこで何を誇っているのか、私には理解できない。あそこには何もない。平原だ。全てが完全に破壊されてしまった。それもまた、ロシアが入ってきたらどうなるか、と尋ねる人への回答だ」と発言した。
その他同氏は、ロシアは、大統領選挙を前に何らかの「戦果」を示さなければならず、攻勢を準備し、兵力を集結させていると指摘した。
また同氏は、ロシアは被占領下ウクライナ領で若者を動員しようと圧力をかけているとしつつ、彼らが戦場で死んだ場合も数えられず、ロシアの統計には含まれていないと指摘した。
なお、11日、ゼレンシキー大統領は、エストニア首都タリンとラトビア首都リガを訪問していた。
写真:大統領府