ウクライナの動員法案、第二読解採択へ向けた審議開始へ
公共放送局「ススピーリネ」がベズフラ与党「人民奉仕者党」議員の発言を報じた。
ベズフラ議員は、フェイスブック・アカウントにて、「明日(10日)、この版がウクライナ最高会議議場に提出される」と書き込んだ。
なお、委員会は採択を勧告しているのみであり、法案への個別の修正提案や、法案自体を採択するかどうかは、最高会議が本会議で決定する。
また、フリーズ野党「欧州連帯党」議員のフェイスブック投稿によれば、同委員会では、同法案の採択を勧告するとの決定を支持した議員は13人、保留した議員は5人だったという。
またフリーズ議員は、委員会は過半数でシルシキー・ウクライナ軍総司令官によるイニシアティブを支持し、36か月後に軍役から外されるという規範を審議から除外したと伝えた。
同議員はさらに、「最終規定部分で『戒厳令下の軍人の交代、解任、医療・社会リハビリのメカニズムの補完法案をウクライナ最高会議の審議のために策定し、提出すること』が閣僚会議に対し(編集注:要請された)」と伝えた。
その他、フリーズ氏によれば、第一読解時点で採択されていた以下の動機を高める規範が法案から除外されたという。
・最前線地点に滞在する軍人への7万フリヴニャの1度限りの追加支払い
・毎月1万フリヴニャの特殊兵役への報奨支払い
・機材破壊に対する固定額支払い。ただし、フリーズ議員は、(別途)法律で、兵器の破壊/鹵獲による支払いは定められたという。
フリーズ氏は、「海外での領事サービス提供について。法律が発効してから60日間は、領事機関において個人データを更新することを条件に、(領事サービスが)提供される。これは戒厳令下の個人データ更新というウクライナの全ての国民の義務の規範に従ったものである」と書き込んだ。
また同議員は、法案に加えられた「動機付けパッケージ」について以下のとおり説明した。
・国防省と契約を結んだ軍人には部隊を自ら選択する機会が提供される。
・ロシア側の兵器・機材の破壊・鹵獲による追加の休暇・報奨については、別途法律と政府決定で定められる。
・育児休暇の期間は、兵役期間として計算される。
・年次基本休暇は1年間に分割して付与され、主要な連続休暇は15日以上とする。
・住宅ローンの頭金の50%の補償、および兵役1年後に10万フリヴニャ、2年後にさらに10万フリヴニャを追加補償として受け取る権利を得る。
・軍人とその配偶者は、銀行やその他機関に対するローンの利息、債務不履行による違約金、罰金等を請求されない。自動車や不動産のローンを除く。
・最初の契約日から3か月以内に、15万フリヴニャの車両購入証明書を受け取る権利を得る。
・戒厳令下に戦闘圏に直接滞在していた場合の1か月間の勤務は兵役3か月間として換算される。
・国外での長期治療が必要な場合、遠隔で軍事医療委員会にアクセスする機会が生じる。その場合の軍事医療委員会の関連の証明書は、経済的・物質的支援供与を維持する上での根拠となる。
・捕虜から解放された後、希望すれば、経済的支援を維持した上で90日間の追加休暇を得られる。
・軍人が死亡した場合の一度限りの経済的支援の額は、1500万(フリヴニャ)となる。
その他フリーズ氏は、「国民の権利を侵害することなく、市民団体と明確に協力した上で、一定の予防措置を加えた上で、障害レベル第1、第2、第3を有する人物のケアの規範が確立された」と伝えた。
これに先立ち、2月7日、第10449「軍役、動員、軍籍の個別問題に関する複数のウクライナ法の改正法案」、通称「動員法案」を第一読解で採択していた。
最高会議国家安全保障・防衛・情報委員会は、同法案の第二読解審議に向けた作業を2月27日に開始していた。
また、ジェレズニャク野党会派「声党」議員は4月6日、動員法案の第二読解の審議が4月10日に行われる可能性があるとの見方を伝えていた。