豪州、ウクライナに戦車「エイブラムス」49両を供与へ
ABCニュースが報じた。
ブリュッセルで今週開かれる北大西洋条約機構(NATO)国防省級会合に出席するコンロイ豪州防衛産業相は、「私たちは、ロシアの違法侵攻に対峙するウクライナと肩を並べて立っている」「これらの戦車は、ウクライナ軍にさらなる火力と機動力を提供し、私たちのパートナーたちがウクライナ装甲旅団に提供している支援を補完することになる。オーストラリアは、ウクライナ支援で揺らいでいない」と発言した。
報道によれば、過去数週間でオーストラリアは、75両の戦車「エイブラムスM1A2」を受領したとあり、これにより旧式で、これまで戦闘で一度も使われたことのない「M1A1」59両と徐々に交換することになっているとのだという。
オーストラリアが「第三国」に保有する旧式「エイブラムス」を供与するには、国際武器貿易ルール(ITAR)に従い、米国の許可が必要だという。なお、米国は、昨年ウクライナに31両の「M1A1」を供与している。
同時にオーストラリアが保有する「M1A1」は耐用年数を迎えつつあるため、その内のいくつかは欧州へと輸送する前に修理が必要だという。あるいは、迅速にウクライナに発送して、現地で部品取りか別の目的に使うことも可能だと書かれている。
オーストラリア政府は以前、ウクライナによる、引退し処分される予定のヘリ「タイパン」の供与要請を断っていたが、コンロイ国防産業相は今回、その決定を巡る対立から離れて「先へ進む時が来た」と発言した。
ゼレンシキー宇大統領は16日、ソーシャルメディア「X」アカウントにて、アルバーニージー豪州首相に対して、同日の同国による総額1億7060億米ドルの対ウクライナ防衛支援提供の発表につき謝意を表明した。
ゼレンシキー氏は、「私は特に、ロシア侵略に対する私たちの防衛のために、戦車『エイブラムスM1A1』49両を提供するという勇敢な決定につき感謝している」と強調した。
さらに同氏は、「私たちはオーストラリアとのパートナーシップとウクライナにおける公正かつ永続的な平和達成、欧州における安定の回復、ルールに基づいた国際秩序防衛への同国による重要な貢献を評価している」と伝えた。
そして同氏は、オーストラリアは「自由と民主主義と人の命とグローバル安全保障の防衛における、信頼あるパートナー」であり続けていると書き込んだ。
写真:Richard Bumgardner