スクリパリ毒殺未遂事件:検証サイト・ベリングキャット、もう一人の容疑者「ペトロフ」氏の本名も特定と発表
8日、ベリングキャットとThe Insiderが発表した。
発表には、「私たち(ベリングキャットとThe Insider)は、『アレクサンドル・ペトロフ』なる人物がミシュキン・アレクサンドル・エフゲニェヴィチであり、ロシア連邦軍参謀本部総局(通称GRU)の軍医であることを特定した。特定過程で、ベリングキャットは、多くのオープンソース、同人物の知人の証言、パスポートのスキャンファイルを含む、身分証明書の写しを分析した」とある。
このアレクサンドル・ミシュキン氏は、1979年7月13日、ロシア北西部アルハンゲリスク州ロイガ村生まれだとのこと。ミシュキン氏は、ロシアのエリート軍事医学アカデミーの一つを卒業し、ロシア海軍の軍医になるための訓練を受けていたと発表された。
ミシュキン氏は、この訓練時に、GRUへ採用され、2010年までにモスクワへ移住したとのこと。
2011年から2018年まで、アレクサンドル・ミシュキン氏は、新しい名前を使って、多くの旅行をしており、ベリングキャットの検証によれば、ウクライナへも何度も訪問していたとのこと。ミシュキン氏が最後にウクライナへ滞在していたのは、2013年12月、キーウ(キエフ)でマイダン革命が起きていた最中であったと指摘されている。
すでに報じられているように、9月5日、イギリスの検察官は、ロシア元スパイのセルゲイ・スクリパリとその娘ユリヤ・スクリパリに対する毒殺未遂事件に関与した人物として、二人のロシア人、アレクサンドル・ペトロフとルスラン・ボシロフなる人物の名前を挙げていた。イギリス当局は、この二人はロシア情報機関の将校であると指摘していた。
検証サイトのベリングキャットとThe Insiderは、9月26日、容疑者のうちの1人「ルスラン・ボシロフ」を名乗る人物の本名がアナトリー・チェピーガであることを特定したと発表。彼らの発表では、チェピーガ氏は、ロシアGRUの大佐であり、「ロシアの英雄」の称号を有しているとのことであった。
なお、ベリングキャットとThe Insiderは、9日に本件に関する詳細な発表を行うとしている。