最高会議、アンドリー教会のコンスタンティノープル総主教への提供を決定
大統領提出の法案第9028は、議員237名の賛成で採択された(過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
法案の説明文には、「アンドリー教会利用への譲渡提供の決定は、トモス(編集注:正教会の公布文書)授受、世界の正教会界によるウクライナ正教会の承認を加速化することになる」と書かれている。
最高会議内大統領代表であるイリーナ・ルツェンコ議員は、この法案を紹介する際、この文化施設の譲渡は実質的な教会的な意味と象徴的・精神的な意味という独特な意味を持つ行為となると指摘した。
同議員は、「これにより国家としてのウクライナから、ウクライナの精神的伝統の発展の歴史における権威であり、母なる教会の役割を担ってきた(コンスタンティノープルに対する)大きな敬意を示すことになり、ウクライナ正教会への独立に関するトモスの付与のプロセスを促進していくことになる」と強調した。
同法は、現行の「良心の自由と教会施設」法に改正を加えるもの。新しい第17-1条には、とりわけ、アンドリー教会が恒常的利用のため譲渡提供されることは、文化遺産国家保護地区「キーウ・ソフィア」に含まれる資産リストからアンドリー教会を除外することにはならない、と強調されている。
「国家保護地区『キーウ・ソフィア』のアンドリー教会の利用の特別性」法は、官報「ウクライナの声」に掲載された翌日に発効する。法律の移行規定によれば、ウクライナ閣僚会議(内閣)は、同法発効後1か月以内に、アンドリー教会の文化施設を恒常的な無償利用できるよう譲渡提供を保障せねばならないことになっている。
補足:アンドリー教会とは、聖アンドレアを記念したウクライナ・バロック様式の正教会であり、18世紀の建築・絵画を維持する世界的価値のあるキーウの境界である。設計を行ったのは、著名な建築家バルトロメオ・ラストレッリ。国家保護地区「キーウ・ソフィア」に含まれている。ユネスコの世界遺産リストへの追加が予定されている。現在、教会は修復中であり、2020年に修復が完了の予定。