国連総会「クリミア軍事化」決議採択 日本も賛成

国連総会「クリミア軍事化」決議採択 日本も賛成

ウクルインフォルム
17日、国連総会は、「クリミア自治共和国とセヴァストーポリ市(ウクライナ)、黒海・アゾフ海の一部の軍事化問題」決議を採択した。

同決議は、ウクライナを筆頭とする40か国からなるグループにより提案されていたもの。賛成票を投じたのは、66か国。日本も賛成票を投じた。反対は、19か国。棄権は72か国であった。ウクルインフォルムのニューヨーク特派員が伝えた。

同決議には、ロシアがクリミアに兵士や核兵器を搭載可能な戦闘機・ロケット等の兵器を投入しており、ウクライナ、黒海地域、欧州全体にとっての安全保障上の脅威を生み出していることが強調されている。

今回の決議では、初めて、ロシアに対してクリミアからのロシア軍撤退と占領の即時終了を呼びかけている。具体的には、「(国連総会は、)占領国であるロシアに対して、クリミアから自国軍を撤退させ、ウクライナ領の一時的占領を即時に終了させるよう呼びかける」と書かれている。

また、初めて、ロシアがクリミアを占領することで1994年のブダペスト覚書に違反したと指摘された。「(国連総会は、)クリミアの一時的占領は、(中略)、1994年12月5日付『核兵器不拡散条約(NPT)へのウクライナの加盟に関係した安全の保証に関する覚書』(ブダペスト覚書)の義務への違反である。同覚書には、ウクライナの独立、主権、現存国境への尊重へのコミットメントが明言されている」と書かれている。

更に、同決議には、ウクライナの主権と領土一体性への支持、クリミア併合の不承認、クリミア半島と周辺海域の軍事化進行、核兵器を搭載可能な戦闘機・ロケットの配備への懸念が表明されている。

そして、別途、11月末のケルチ海峡でのウクライナ船舶へのロシアの攻撃行為も喚起されており、「(国連総会は、)黒海での対立の増長、2018年11月25日のロシア連邦によるウクライナに対する武力の使用、とりわけ、ウクライナ海軍艦船『ベルジャンシク』、『ニコポリ』、タグボート『ヤニ・カプ』の3隻への攻撃につき、深刻な懸念を表明する。この攻撃により、数名の船員に深刻な負傷を生じさせた」と指摘し、ロシアに対し、船員と船舶を遅滞も追加条件もなく返還するよう呼びかけている。

同決議はまた、ロシアに対して、黒海・アゾフ海、ケルチ海峡の航行の自由を妨害しないよう、商業船の迫害を止めるよう呼びかけており、またケルチ橋の違法建設を非難している。


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