ラズムコウ最高会議議長、欧州評議会によるロシアの人権侵害への対応を不十分だと指摘
24日、ラズムコウ議長がストラスブールにて開催された、欧州評議会加盟国の議会議長が参加する会議「我々の共同の欧州の家:次の70年」の際に、自らの演説の中で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ラズムコウ議長は、「ウクライナは、欧州評議会による、複数の国、とりわけロシアにおける人権侵害の傾向への対応が弱いことを懸念している。ロシア代表団を欧州評議会へ回帰させる際の主要な根拠が、欧州人権裁判所へのアクセスを含めた人権保護であったにもかかわらずである。ウクライナは、他国とともに、欧州評議会による権威をおとしめる試みを看過するつもりはない」と発言した。
議長は、欧州評議会の義務に違反し、人権を意図的に無視している加盟国がある場合に、それらの国に対して欧州評議会が制裁をかけなくなれば、欧州評議会重要機関の有効性が破綻するとする、ウクライナの懸念を表明した。
議長はまた、「残念ながら欧州評議会が決定を採択する際にしばしば生じているダブルスタンダードが、評議会の価値に疑問を投げかけている」と強調した。
その上で、議長は、ロシアが欧州評議会議員総会(PACE)採択の対ウクライナ軍事侵略に関する7つの決議を一切履行していないのに、PACEがロシア議員団を回帰させたことを喚起し、これに抗議するためにウクライナ議員団がPACEの秋会期への不参加を決定したことは、「完全に動機のある」行為だと強調した。
議長は、「その決定は、一時的被占領地域における侵略国の体系的人権侵害への対応である。また、ウクライナ代表団を巡る状況は、危険な前例となった。現時点でその被害を予測することは困難である」と発言した。
同時に、議長は、ウクライナは精神的には欧州の自由なネイションの家に常に属していると強調し、「ウクライナ国民は、民主主義世界の価値を守ることで、極めて高い対価を払ったのだ」と喚起した。
これに先立ち、6月24日、PACEは、ウクライナへの侵略を契機にPACE内の権限を剥奪されていたロシア代表団のPACE回帰を可能とする決議を採択した。ロシア議員団は、2014年の対ウクライナ侵略に対して採択された過去のPACEの複数決議をロシアが履行しないまま、無条件でPACEへと回帰することになった。
同決定への抗議として、ウクライナ議員団は、2019年のPACE秋会期を欠席。その他、PACEの5つの国の議員団が、ロシアの無条件回帰を受けて、非公式グループ「バルティック+」を作っている。