「ヤヌコーヴィチ時代の政権幹部全員を旧政権の人物とみなすのは不正義」=ゼレンシキー大統領
7日、ゼレンシキー大統領がドンバス地方訪問の際の記者会見時に、記者から、大統領府副長官職に、2013~14年の尊厳革命(マイダン革命)時に内務省の幹部を務めていたオレフ・タターロウ氏を任命したことについて質問され、発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
大統領は、記者の質問につき「『古い人間』とは何なのか、私は知らない。彼は、年齢的には大体私と同じだ。40歳強であり、50歳にもなっていない」と述べ、「私たちは皆、ヤヌコーヴィチ時代を生きた。当時のいくらかの人は、ヤヌコーヴィチ氏とともに逃げた。しかし、多くの人は、ウクライナを裏切らず、残ったのだ。私は、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ氏の時代に政権機関を率いた全ての人を旧政権の人間とみなすことは不正義だと思っている」と発言した。
大統領は、自身にとってペトロ・ポロシェンコ前大統領時代に政権機関を率いた幹部も「旧政権」だと述べつつ、「しかし、そこ(ポロシェンコ政権)にも経験ある人物はいた。その頃(ヤヌコーヴィチ政権)にも経験ある人物はいた。大切なのは、その人物が正直であることだ」と強調した。
その上でゼレンシキー大統領は、現在、ウクライナを変えるために非常に重要なことは、政権幹部が倫理的基本を守ることだと発言した。大統領は、「ウクライナを変えるために最も重要なことは、倫理的側面であり、それこそが多くの幹部や複数の議員に不足しているのだ。その倫理的側面とは、誘惑を避けることであり、現代生活で最も重要なことだ」と発言した。
これに先立ち、8月5日、ゼレンシキー大統領は、オレフ・タターロウ氏を大統領府副長官に任命した。タターロウ氏の担当分野は治安機関活動、大統領府活動の分析活動保障、治安機関活動分野における国家の治安確保の保障、汚職対策、人権保護となるとのこと。
2011年からは、内務省総捜査局副局長を務めていた。尊厳革命後の2014年以降は、弁護士活動を行っていた。
写真:大統領府