ウクライナ外務省、被占領下クリミアでの露の「選挙」実施を非難
外務省ウェブサイトに非難声明が掲載された。
外務省は、「2020年9月13日に一時的被占領下にあるクリミア自治共和国とセヴァストーポリ市におけるロシア占領政権が創設した違法機関へのいわゆる『選挙』のロシア連邦による組織・実施に強く抗議し、非難する」と伝えた。
声明には、「私たちは、クレムリン(編集注:ロシア大統領府)のこのような行為を、ロシア連邦によるウクライナの主権と領土一体性への著しい侵害とみなしている」と書かれている。
外務省はまた、クリミア自治共和国とセヴァストーポリ市は、被占領下にあるウクライナ領であり、その法制度は国際人道法の規範により定めていることを喚起し、ロシア連邦によるこれら被占領地での偽選挙実施は違法であり、その結果は一切の法的効力を有さないと説明した。
続けて、声明には、いわゆる「セヴァストーポリ知事選挙」、いわゆる「クリミア共和国国家会議」と「シンフェローポリ地方議会」のいわゆる「補選」は、ウクライナ憲法と国内法に加え、以下の国際法の規範と原則も著しく侵害するものだと指摘されている。声明にて列挙されている国際法は、以下の通り。
・国連憲章
・戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ条約(第四条約)
・1975年8月1日付全欧安保協力会議(CSCE)ヘルシンキ最終文書
・二国間国際条約及びその他国際法規範によるロシア連邦の義務
・国連総会決議2014年3月27日付第68/272「ウクライナの領土一体性」
・国連総会決議2016年12月19日付第71/205、2017年12月19日付第72/190、2018年12月22日付第73/263、2019年12月18日付第74/168「クリミア自治共和国及びセヴァストーポリ市(ウクライナ)における人権状況」
・国連総会決議2018年12月17日付第73/194、2019年12月9日付第74/17「クリミア自治共和国とセヴァストーポリ市(ウクライナ)、黒海・アゾフ海の一部の軍事化問題」
その上で、外務省は、被占領下クリミアにおける違法「投票」を準備・実施に関与したものは全員、ウクライナ国内法にしたがって罰せられると伝えた。
外務省には更に、諸外国と国際機関に対して、ロシア連邦の違法行為を非難した上で、被占領下クリミア自治共和国とセヴァストーポリ市におけるいわゆる「選挙」の結果は認められないと明確に発表し、ロシア連邦に対し、制裁拡大を含めた政治・外交的圧力を強化するよう要請している。