クレーバ外相、露ナワリヌイ氏の発言につき「クリミアは返さなければならない」
クレーバ外相がウクライナ24局の番組出演中に発言した。
クレーバ外相は、「ロシアを理解せねばならない。私たちは、ウクライナの国益の観点からして、アレクセイ・ナワリヌイ氏に魅了されるべきではない。私はブターブロートは返されることになると確信している(編集注:ナワリヌイ氏がかつてクリミアをブターブロートにたとえて発言したことを揶揄した発言)し、クリミアは齧られることなく、きれいなままで返されるべきである。その点には、一切の幻想もあり得ない」と発言した。
クレーバ外相はまた、ロシアはクリミア占領についていずれ謝罪をせざるを得なくなると述べつつ、「ナワリヌイ氏がいつか民主的選挙の結果として、ロシアを率いるなり、体制内の何らかの政治的地位を得るようなことになった場合は、ロシアによる併合につき、謝罪せざるを得なくなる。しかし、すでに述べたように、敵の敵は友である。ナワリヌイ氏がプーチンの敵なら、私たちはナワリヌイ氏を支持する。全て非常にシンプルである」と発言した。
これに先立ち、2014年秋、ナワリヌイ氏は、クリミアの地位について質問された際に、「クリミアは、ソーセージをのせたブターブロートだ。それをあっちやこっちに戻すのかって?」と発言していた。また同氏は、ロシアはウクライナ領クリミアを占領することで国際法に違反したとしつつも、クリミアは「実質的にロシア」とも発言していた。
なお、ラジオ・スヴォボーダ通信によれば、ナワリヌイ氏はその後、クリミアをブターブロードにたとえたのは最善のものではなかったとしつつ、その比喩はすでに広まってしまったとも述べたという。
2015年、ナワリヌイ氏は、ラジオ・スヴォボーダ通信や「アメリカの声」通信へのインタビュー時、ロシアはクリミアを違法に奪取したとも述べつつ、その際、クリミア問題はすぐには解決できないとも発言している。同氏は、クリミアには300万人(ママ)の住民がロシア国籍を所有しているとしつつ、現状を脱出するには「公正な住民投票」が必要で、ウクライナ政権やクリミア・タタール人が選挙運動をできるようにすべきだと発言していた。
しかし、その後2017年、ナワリヌイ氏は、「クリミア問題の解決法は考えられない」と述べ、「プーチン大統領であれナワリヌイ大統領であれ」解決できないと発言している。
ナワリヌイ氏はまた、2017年、ウクライナ領でロシア軍が戦闘をしていることを認めており、自身が2018年大統領選挙で勝利したら、ロシア軍をウクライナ領から撤退させると約束していた(編集注:ただし、同氏は同選挙への出馬が認められなかった)。同時に同氏は、ドンバス住民には、恩赦と弾圧からの保護の保証を与えるべきだと発言していた。