ロシアが3者協議の参加者であり、分離主義者は招待者=ウクライナ大統領府長官
9日、アンドリー・イェルマーク大統領府長官がドイツ外政評議会(DGAP)主催オンライン・ディスカッション「ウクライナ東部紛争 2021年の展望」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
イェルマーク氏は、「(TCG作業が)妨害されているのは、TCG会合が開かれていないからではない。ビデオ会合は、2週間に一度開催されており、ウクライナは24時間体制で働く準備がある。しかし、毎回、彼ら(編集注:ロシアTCG代表者)は、分離主義者を加えることから対話を始めさせようとするのだ。彼らは、招待者であって、TCGの参加者ではない」と発言した。
同氏は、TCGの参加者は、ウクライナ、ロシア、欧州安全保障協力機構(OSCE)の「3者」からなること、またロシアはノルマンディ・フォーマットの参加国でもあることを喚起した。
イェルマーク氏は、ウクライナは、分離主義者とは一切協議するつもりはなく、ウクライナTCG代表団はこれらの人物を協議当事者とすることには断固として反対していると説明した。
その上で同氏は、「協議当事者はロシアでなければならないし、全てのパートナーたちにそのことについて喚起している」と強調した。
加えてイェルマーク氏は、最近、欧州理事会のシャルル・ミシェル議長がルハンシク州のコンタクト・ライン通過検問地点「シチャースチャ」を訪問した際に、「ロシアは、紛争の当事者であり、ロシアは仲介者や司会者ではない」と発言したことにつき、「歴史に残るフレーズだ」と指摘した。同氏は、ミシェル氏の発言は、「非常に重要なシグナルだ」と述べ、最近のTCGの作業は同発言によって妨害されているとも指摘した。
同時に同氏は、ウクライナ側は建設的に行動しようとしているとし、ウクライナ側からもTCGにドネツィク・ルハンシク両州一部地域からの国内避難民を出席させていることを喚起した。ただし、それでもTCGの作業は妨害され続けているという。
なお、2020年6月以降、ウクライナTCG代表団には、ドネツィク・ルハンシク両州出身の記者であるデニス・カザンシキー氏とセルヒー・ハルマシュ氏が加わっている。