ホイスゲン元独首相補佐官、ミンスク諸合意につき「独仏は戦争を防ぐためにあらゆることを行った」

ホイスゲン元独首相補佐官、ミンスク諸合意につき「独仏は戦争を防ぐためにあらゆることを行った」

ウクルインフォルム
長年メルケル前独首相の補佐官を務めたクリストフ・ホイスゲン氏は、ウクライナとロシアの間の治安・政治面での情勢解決を定めたミンスク諸合意を巡る過去の協議につき、ドイツとフランスは戦争を防ぐためにあらゆる可能なことを行ったが、ロシアが合意を締結直後から履行しなかったと指摘した。

ホイスゲン元独首相補佐官(現ミュンヘン安全保障会議議長)がウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した(リンク先はウクライナ語)。

ホイスゲン氏は、「ミンスク諸合意の履行を試みるべく、私たちはあらゆることを行ったし、私個人も、ウクライナの友人たちとともにミンスクを何度も訪れた。私たちは、一定の進展に達したが、しかし、結局のところ、どの決定も実現することはできなかった。それはウクライナのせいではなく、ロシアのせいである」と発言した。

同氏はまた、ミンスク諸合意における、合意の署名から60時間で停戦が生じなければならない、という最初の条項にはじまり、さらには重火器を撤退させ、欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)に活動をさせる、という、同合意の最もシンプルな条項をロシアは履行しなかったのだと指摘した。その際同氏は、当時ロシアはデバリツェヴェの占領を何としてでも終わらせようとしていたことを喚起した(編集注:2015年2月11日付「ミンスク両合意履行のための方策パッケージ」締結前後の話。ロシア側がウクライナ東部デバリツェヴェ市への進軍を進めていた中、2015年2月11日にウクライナとロシアとOSCE、並びに肩書きのないロシア武装集団代表者が同合意を締結。その後、合意に従い、2月15日0時に停戦が発効しなければならなかったが、ロシア側は停戦を守らず、デバリツェヴェ市への進軍を進め、18日にデバリツェヴェを完全に制圧した)。

ホイスゲン氏は、ロシアは外交的やりとりから外れて、乱暴な力の行使へと移行したのであり、ウクライナのパートナー国たちはそれに対応しなければならないと発言した。

そして同氏は、「プーチンが協議を望まない時には、私たちは彼に対峙しなければならない。なぜなら、彼が理解する言語は、残念ながら、力の言語だからだ。私たちは、ウクライナが強くなるよう、ロシアの圧力に対応できるようにケアをしなければならない」と指摘した。

その他同氏は、メルケル当時独首相は、オランド当時仏大統領とともに、ロシアの侵略を止めるためにあらゆることを行ったと強調した。また、ミンスク諸合意の案を準備していた時には、全ての項目につきウクライナ側パートナーと署名の前に調整を行っていたと伝えた。

なお、ホイスゲン氏は、2005年から2017年にかけて、メルケル当時独首相の外政・安全保障担当補佐官を務めていた人物。同氏は、2015年の「ミンスク両合意履行のための方策パッケージ」文言準備の際に直接協議に参加していた。


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